巨人・中田翔が早くもレギュラー剥奪の危機を迎えている。
2022年4月13日の試合前で、打率.204、2本塁打、8打点。得点圏打率.143。勝負所での凡打が目立ち、4月10日のヤクルト戦(東京ドーム)からスタメン落ち。代わって一塁でスタメン出場したチーム最年長39歳の中島宏之が気を吐いている。
このままだと「レギュラー定着は難しい」
10日のヤクルト戦では5回にセンターへ二塁打を放つと、12日のDeNA戦(那覇)でも4回にもフェンス直撃の2点中越え適時二塁打をマーク。続くウォーカーの右前適時打で本塁生還の激走を見せ、チームの勝利に大きく貢献した。
「中島は打撃フォームを改造してミートに特化した印象でしたが、昨年の終盤から直球もきっちりはじき返して長打が出るようになっている。
4番・岡本和真の後で走者を還すポイントゲッターとしては、中田より中島の方が脅威ですね。ただ年齢を考えると、中島を常時スタメンで出場させるのは厳しい。首脳陣は勝負所で代打の切り札として起用したいという思惑があると思います。
中田は4打席出て結果を出すタイプなので、代打の適性はない。一塁の守備能力が高いですが、打ってナンボなのでスタメンで結果を出せないようだとレギュラー定着は難しいと思います」(他球団のスコアラー)
オープン戦と開幕直後は絶好調も...
中田にとって、今年は正念場のシーズンだ。
昨年8月に日本ハムでチームメートへの暴力事件が発覚し、巨人に電撃トレード。1軍ですぐに起用されて大きな波紋を呼んだが、34試合出場で打率.154、3本塁打、7打点と結果を残せなかった。
崖っぷちに立たされ、昨オフは肉体改造に着手。ウエートトレーニングに打ち込み、20キロ増の体重112キロに。巨体からの力強い打球で状態の良さをアピールし、オープン戦で打率.325、3本塁打、8打点をマークした。
開幕スタメンを勝ち取り、3月26日の開幕2戦目・中日戦(東京ドーム)で4回に左翼線二塁打、3点差を追いかける8回無死一、二塁で左中間への適時二塁打を放つなど逆転勝利の呼び水に。翌27日の同戦でも初回に難敵・柳裕也から左翼席に弾丸ライナーで今季初アーチ。岡本との連続アーチで良いスタートを切ったかに見えた。
内角攻めに対処できず打撃不振に
だが、好調が長続きしない。
その後は20打席連続無安打と快音が消えると、4月3日の阪神戦(東京ドーム)では初回に左中間へ先制の2号満塁弾を放ったが復調のきっかけにならず、好機でブレーキになる打席が目立った。開幕5カード目で早くもスタメンから外れることになった。
「内角攻めに対処できず、落ちる球で凡打するパターンが多い。内角を意識するあまり、甘い球のミスショットも目立ってきています。中田の良い時は打席でゆとりを感じますが、今は力んでいるように感じる。結果を出したい思いが強いでしょう」(スポーツ紙記者)
V奪回に不可欠な選手だけに、復活を待ち望むばかりだ。
(中町顕吾)