東京大学の入学式が2022年4月12日に行われ、映画監督の河瀬直美氏が祝辞を贈った。
ウクライナ危機に触れた部分が報じられると、ロシア寄りの見方だとしてSNSでは反発が広がる事態となっている。
「誤解を恐れずに言うと...」
朝日新聞電子版の12日付記事「東大で入学式 来賓の河瀬直美氏 『ロシアを悪者にすることは簡単』」によれば、河瀬氏は祝辞でウクライナ危機に言及し、見出しにある発言をした後に
「なぜこのようなことが起こっているか。一方的な側からの意見に左右されてものの本質を見誤ってはいないか。誤解を恐れずに言うと『悪』を存在させることで私は安心していないか」
と述べた。
続けて、「自分たちの国がどこかの国に侵攻する可能性があるということを自覚しておく必要がある。そうすることで自らの中に自制心を持って、それを拒否することを選択したい」と語りかけたという。
記事はツイッターで広く拡散し、ロシア寄りの見方と受け取った読者が少なくなかったのか批判が目立った。
そのほかのメディアも、同様の見出しで報じている。
・「『ロシア』という国を悪者にすることは簡単である」映画監督・河瀬直美さん 東大入学式で祝辞/FNNプライムオンライン
・河瀬直美氏、東大入学式で祝辞「ロシアという国を悪者にすることは簡単である」/日刊スポーツ
東大は13日までに祝辞をウェブサイトで公開した。文字にすると4059字ある。前述の「ロシアを悪者にすることは簡単」発言は祝辞の後半、金峯山寺の管長が発した言葉について、河瀬氏が解釈を述べる際に出た。以下は祝辞全文。