法務省は2022年4月12日までに、省のウェブページ上でイラストの不適切な使用があったとして謝罪した。著作権者の承諾を得るなど、必要な手続きをせずに掲載していたという。
ネット上でも指摘があり、省は昨年12月以降、該当のページを一時閉鎖していた。4月12日現在、ページの公開は再開されているが、問題となったイラストは別のものに差し替えられている。
有料サイトの素材を無断使用?
問題視されたのは、法務省民事局が離婚に関する情報をまとめた「離婚に関する情報提供用ホームページ」のイラストだ。そのうちの一部に、イラストレーターの作品を無断使用した疑いが指摘された。
イラストはデジタル素材売買サイト「Adobe Stock(アドビストック)」などで販売されており、ページに掲載されていたイラストにはアドビ社のものとみられる透かし(ウォーターマーク)が残っていた。購入・ダウンロード後には透かしが消えることから、見本画像を無断で使用していた可能性が指摘されていた。
昨年12月にこうした疑いが指摘されると、ページからはイラストが削除されたほか、
「本ページに掲載されていたイラストに関し、ご指摘がありました。現在、事実関係を確認中のため、いったん当該イラストの公開を停止しております」
との表示がされ、ページも閲覧できない状態となっていた。
その後、法務省は4月12日までに「『離婚に関する情報提供用ホームページ』に関するお詫びと再開のお知らせについて」と題した謝罪文をサイトに掲載した。全文は以下の通り。
「当省が令和3年5月に公開した離婚に関する情報提供用ホームページ中の『知りたい情報がすぐに見つかる!Q&A』において使用していたイラストについて、著作権者等の承諾を得る等の必要な手続を実施しておりませんでした。
そのため、当該ホームページを一時閉鎖しておりましたが、今般、著作権者等との協議が整い、再開することになりましたのでお知らせいたします。
改めまして、著作権者を始め関係者の皆様に対して深くおわび申し上げますとともに、当省ホームページの利用者の皆様にも大変なご迷惑をおかけいたしましたことを深くおわび申し上げます。
当省としては、今回の事態を重く受け止め、今後は、当省に納品されるコンテンツの権利関係についてより厳重なチェック態勢を構築し、再発防止に努めてまいります」
12日までに公開が再開されたページのイラストは、別のものに差し代わっている。