「2年で審査を完了できるように」の声に原子力規制委は...
ただ、玉木氏が主張するように、標準処理時間を理由にした審査のスピードアップが現実的かは不明だ。21年2月17日の参院資源エネルギー調査会では、自民党の滝波宏文参院議員が
「これまで合格に向けて蓄積してきた実績をフルに活用し、例えば同型の炉で既に実績があるものは審査しない、差分のみ審査する等、これまでよりも一歩踏み込んだ効率化の取組を進め、標準処理期間である2年で審査を完了できるようにする必要があるのではないか」
などとして、審査に時間がかかっていることを問題視している。これに対して原子力規制委の更田豊志委員長は
「むしろ私は、時間にとらわれて審査を切り上げるというようなことはあってはならないというふうに常々、審査チームに対して指導と言うか、訴えているところだ」
などと反論。滝波氏の発言を引き合いに
「同型炉での同一部分についての審査を省略するといったやり方はなかなか現実的とは思われない」
とも述べ、スピードアップのためには規制当局や電力会社のスキルの向上を待つしかないとした。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)