千葉ロッテ・佐々木朗希投手が2022年4月10日、NPBで28年ぶりに完全試合を達成した。20歳5か月での達成は日本プロ野球史上最年少だが、バッテリーを組んだ松川虎生捕手も入団1年目、18歳5か月で合計38歳10か月の史上最年少バッテリーでの完全試合だった。
捕手としても史上最年少で快挙の立役者になった松川は、高卒捕手ながら今季開幕スタメン入り。ヤクルトで捕手として活躍した古田敦也氏もYouTubeチャンネル「フルタの方程式」で、開幕直後の3月27日 に投稿した動画で松川に注目していた。
DeNA小園の球を受けた経験
松川は市立和歌山高から21年ドラフト会議でロッテ1位指名で入団、開幕スタメンでマスクをかぶるとここまで7試合に出場している。打率は.167ながら4打点を挙げ、10日の試合でも6回裏に走者一掃の適時打で3打点を記録した。
松川の長所として古田氏が3月の動画で挙げていたのは体格と肩だった。「驚きですよ。身体もでかいし、身長はそんなに大きくないけど横もしっかりしてるし。何が一番いいかって盗塁を刺せる能力を持っている。捕ってからも素早く投げますし肩も強いです」
4月10日のオリックス戦での完全試合では、佐々木の最速164キロの球を受けていた松川。高校時代は現横浜DeNAの小園健太投手とバッテリーを組んでおり、この経験を「デカい。アマチュアの時から150キロ近い球を...小園くんもスライダーとかフォークも140キロ後半の球を投げてて、それには慣れてたと思う」と古田氏は話し、小園とのバッテリー経験がプロで活かされているとも示唆している。
若い捕手のリードを鍛える難しさ
一方、リード面はアマとプロの違いに対応しなければならない段階が続くと考える古田氏。「プロの場合は同じ手をやったら必ずやられます。そこを先回りして『わからないけど相手はこれを狙ってくるから今度は違うことやろう』としていかないといけないんで、最初は後手を踏むことになると思います。そんな中で成績を残していかないと」と動画でコメントしていた。
松川のような若い捕手が今後も、特にリード面において成長していくために必要なことは何か。「新人捕手が活躍するのが難しい理由」との質問に答える形で古田氏は首脳陣との関係を挙げる。
「例えば『1点差であそこでインコースのサインは無いだろ』って言ったらもうインコース出せなくなると思うんです、若いキャッチャーだと。『あのカウントでストレートは無いだろ』ってなったら出せなくなるんですよ」
「同じこと何度もやってたら絶対打たれるんで、違うことをやらなきゃいけない。フリーハンドというか裁量を与えないといけないけど『あれはやっちゃいけない』というのを指摘するのが難しいんですよ」
このように話し、捕手がリードを組み立てていく時に首脳陣がどう指導していくかが難しいという古田氏。「僕の場合は野村監督がいたから、教わりながらというか怒られながら」だったという。松川のリード面の成長についても
「リードなんてまだまだ分かってないことは井口監督も分かってると思うんです。そこはピッチャーとのコミュニケーションで何とかなるんじゃないかって思わせる位置にいるだけですごいです」
とポテンシャルに期待をかけていた。