フィギュアスケート2015年世界選手権金メダルのエリザベータ・トゥクタミシェワ(25)が22年4月10日にインスタグラムを更新し、9日にロシア・トゥーラで開催されたアイスショー「ユニオン・オブ・チャンピオンズ」について言及した。
トゥクタミシュワ「完全に混乱しています」
同アイスショーは06年トリノ冬季五輪金メダリスト、エフゲニー・プルシェンコ氏(39)が主催し、トゥクタミシェワら国内のフィギアスケーターが参加。トゥクタミシェワはイベント翌日にインスタグラムで、会場で感じた素直な感想を投稿した。
トゥクタミシェワは「私はスポーツと政治は切り離されているものと信じたかったのですが、それが違っていたことが今日分かりました」と書き出し、「私はフィギュアスケートが大好きで、私は自分がしていることを心から愛しています」とつづった。
「私は大会に出場したいし、スケートをしたい。新しいプログラムを始めたいし、アイスショーに参加したい。しかし、私はアスリートのパフォーマンスが操作や説得の手段になってほしくない」とスポーツが政治利用されることに異を唱えた。
そして最後に「完全に混乱しています」と苦しい胸の内を明かした。
ロシアの地元メディアによると、アイスショーのチケットにはロシア軍の象徴となっている「Z」の文字が大きく記載され、会場内にも「Z」マークを強調したロシア国旗が展示されていたという。このような演出がプルシェンコ氏によるものかは判明していない。
インスタフォロワーから「なぜ自分の国を恥じるのか」
トゥクタミシェワの投稿は地元メディアによって伝えられ、「SPORT24」(WEB版)は4月10日、トゥクタミシェワがプルシェンコのアイスショーに参加した後、声を上げたとし、イベントは愛国的なものとして行われたなどと伝えた。
また、スポーツメディア「sports.ru」(WEB版)は、「プルシェンコがトゥーラでアイスショーを開催した後、スケーターはなぜ言い訳をするのか?」などのタイトルで4月10日に記事を公開し、トゥクタミシェワのインスタ投稿コメントを取り上げた。
トゥクタミシェワの投稿にはロシア語や英語で様々なコメントが寄せられた。
「私の心は常にあなたと一緒にある」「何があってもあなたを応援します」「話してくれてありがとう、恐れないで」など激励のコメントの一方で、「なぜ自分の国を恥じるのか」「なんて恥ずべき投稿なんだ」「あなたは誰から車やアパートを授与されたのですか?」と批判的なコメントもあった。