アニメ誌・テレビ誌を手がかりに
8000話近くのタイトルをどうやって記録してきたか。近年のものや自力で録画済みのものは確認も容易だが、そうでなければ過去の雑誌や文献、関係者のつてをたどるしかない。
「古いものはVHSで再生して確認することになります。他にもアニメ誌の『アニメージュ』が一時期、放送済のアニメ番組の情報を掲載していました。そのため、過去のアニメージュを所蔵している図書館に日参し、近場に所蔵されていない分を探して遠方の図書館まで夜行バスで遠征したこともあります。
ただ、アニメージュにも掲載されていない時期のものがあります。そうなれば過去の新聞のラテ欄を確認しますし、初回放送分の記録がなくても再放送の方で新聞に情報が載っていたことがあります」
気の遠くなるような作業だが、中には廃刊になったテレビ雑誌にしか情報がないこともある。
「すでに廃刊になってしまった『TVぴあ』や小学館が発行していた『テレパル』を探して東京の大宅壮一文庫まで行ったこともあります。他にも、運よく知り合った脚本家の方からご縁でいただいた資料なども活用してきました」
実は最初期よりも1970年代後半から80年代前半の放送回の方が資料が少なく苦労したそうだ。
「初期の回は現在オンデマンド配信で確認できるものも多いですが、この時期のものは情報が載っている雑誌が少なくて。『サザエさん』は昔はアニメファンからあまり注目されておらず、アニメの中でも地味な扱いだったんです」