加害者の動機
次第に、加害者の事実無根の情報に感化されるファンが出始めた。タレントや関係者の精神面も考慮し、事務所は苦渋の末に前述の"ブロック宣言"を決めた。
加害者はその後ツイッターで謝罪し、動機を「創業当時からのタレントなのだからもっと大切にして欲しい、という感情から始まったものではありました」と公に説明している。
赤月さんのファンを公言するこの匿名アカウントは、ただの疑問がいつの間にか確信にすり替わり、自身の言動を「まったく見当違いの暴走」「今考えてみると、とても冷静ではなかった」と振り返っている。
望月氏はこの弁明について「ファンが一生懸命その子を考えること自体は、アイドル的な存在とファンとの関係性として良いともとれますが、存在しない事実を現実であるかのように思い込み、不特定多数に発信し続けるのは許容できない」と断じた。
法的措置は検討中だという。訴訟に要する期間やコスト、相手の弁済能力の不透明さを考慮すると、すぐに決断できない背景がある。
今後の誹謗中傷対策については「良い意見以外を潰すつもりはないです。無名で一部の人にだけ褒められるのは言ってしまえばカルト的人気ということで広がりがない。ただ、行き過ぎた書き込みついては毅然とした姿勢は見せなければいけないと思っています」。
タレントやスタッフには、心無い書き込みへの向き合い方を伝えたという。
「例えばコンテンツが面白かったかそうでなかったかということ自体は発信されるのは仕方がないし、正当性があるものについては甘んじて受け入れないといけない。ただ同時に、その発言をどれくらいの重みで受け取るかは私たちでコントロールできます。正当性があるかについてはしっかり判断しないといけないよね、と指導しました」