常連客からも惜しむ声が寄せられる
「新たに掘り進めても、確実に温泉が出るという確約はありません。博打のようなものです。子供もいて借金は残せない。それでも掘り進めるという決断をするのはあまりにも・・・」
横田さんは声を詰まらせた。はちのへ温泉は1980年代、横田さんが中学生の時にオープンした温泉だ。祖父が掘り当て、家業として引き継いだ。2006年には浴槽などをリニューアルし、現在まで多くの人が訪れたという。地元の人々に愛され、長期休暇に帰省した人が立ち寄ることもあったと話す。
横田さんは毎日温泉につかっており、閉店を告知してからは、風呂場で常連から惜しむ声が寄せられたという。温泉を愛用していた人々に対しては次のように心境を述べた。
「源泉の切り替えがうまくいかず、ごめんなさい。祖父はあてられましたが私はダメだった。毎日うちの温泉に入るなど生活の一部にしてくださる方々からは、無くなると寂しいという声も寄せられました。私自身も大変悲しいですが、こればっかりは本当に申し訳ございません」
横田さん自身、子供のころから親しんできた温泉であり、自分の代で閉店を余儀なくされたことは非常に残念だと話した。
(J-CASTニュース編集部 瀧川響子)