カムカムエヴリバディでも起きたネットの「ロス現象」 その発祥は?報道と識者分析で背景を紐解く

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

「2013年はスマホの普及率が国内で50%を超えた年」

   ITジャーナリストの井上トシユキ氏は、J-CASTニュースの取材に対し、ネット上で「○○ロス」との話題が広がるようになったのは、やはり「あまちゃん」あたりからであると指摘した上で、その理由を推測した。

「ざっとではありますが、朝ドラの『あまちゃん』あたりと言えば良いでしょうか。具体的には2013年あたりから、ネット上での『ロス現象』が見られるようになったと思います。というのも、2013年はスマホの普及率が国内で50%を超えた年であり、一言で言ってしまうと、『パソコンの前に常駐していなくても常時ツイッターにアクセスできる』という環境が整った年と見ることが出来るからです」

   総務省のウェブサイトを見ると、スマホ普及率は2012年に49.5%だったのに対し、2013年には62.6%となっており、確かに50%を超えたことが分かる。井上氏は続ける。

「このため、『人気ドラマの感想を気軽にネット上にアップできる』という状況になった結果、人気ドラマが終了した際には放送終了を嘆く大量のツイートが発生し、『ロス現象』が発生するようになったのではないでしょうか。なお、2015年には俳優の福山雅治さんが結婚したことによる『福山ロス』が発生し、以降、人気ドラマの終了時以外にも『ロス』が発生することが目立つようになりました」

   また、井上氏は以下のようにも指摘した。

   「基本的には2ちゃんねるの『祭り』が形を変えてツイッターに進出したと言えると思います。また、ドラマがきっかけで起きた『ロス現象』に関しては、『ああ、日常に戻るんだなあ』といった虚脱感が起きているわけですが、自分が推している作品に没入していたものの、それが終わるというのは現実に戻るということ。つまり、ドラマの放送自体が、あたかも実際の祭りのようになっていると言えるかもしれません」

(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)

1 2
姉妹サイト