2022年4月から放送20年目に突入したEテレの長寿番組「にほんごであそぼ」(毎週月曜~水曜8時25分)のリニューアルに衝撃が走っている。
日本の伝統芸能を紹介する番組内容で知られていたが、今年度からは西洋文学や最近のヒットソング、ヒット映画などにちなんだコーナーを展開。ツイッター上の視聴者からは「変わりすぎててショック受けた」と困惑の声が聞かれている。
「限界突破×サバイバー」「君の名は。」...現代文化も題材に
「にほんごであそぼ」は2003年4月に放送を開始。俳句、歌舞伎、能楽、浄瑠璃など日本の伝統芸能を取り上げ、日本語表現の面白さを伝える教育番組だ。
能楽師・野村萬斎さんや元大関・小錦八十吉(KONISHIKI)さんら著名人の出演で知られ、野村さんが披露した「まちがいの狂言」に出てくるフレーズ「ややこしや」は、お笑い芸人・なだぎ武さんが持ちネタにするなど人気を集めた。
放送20年目に突入した4月4日から番組内容がリニューアルされた。テーマソングはギタリストの布袋寅泰さんが作曲した。番組の新たな仲間として、言葉遊びが好きな「のはーな」(演:南野巴那さん)が加わり、出演者の衣装も明るくカラフルになった。
取り上げる題材も、日本の伝統芸能にとらわれないものになっている。
初回放送の4日には米作家エリック・カールさんの絵本「はらぺこあおむし」を取り上げた。5日の放送では「限界突破」をキーワードに、出演者たちが限界突破の状態を表す言葉や動作を実践。エンディングでは、のはーなが氷川きよしさんの「限界突破×サバイバー」を歌唱した。6日には16年公開の映画「君の名は。」のタイトルにかけて、動物の絵に「君の名は?」と問いかけるクイズを実施。エンディングには映画主題歌「前前前世」(RADWIMPS)が流れた。
「あの独特な世界観好きだったのに...」
番組の大幅なイメージチェンジに、ツイッター上の視聴者からは「どうしちゃったの...??」「変わりすぎててショック受けた」「なんでこんなんなったん」など困惑の声が。中には「あの独特な世界観好きだったのに...」「元の感じに戻して欲しいな」という声も聞かれた。
ただ、番組公式サイトには野村さんや歌舞伎役者の中村勘九郎さんなど、これまで番組に出演してきた伝統芸能従事者の名前が紹介されており、今後の行方に注目が集まる。
4月4日の放送では、前年度から継続登場となった、色々な物の隙間に入るのが好きな人形キャラ「あいだのじいさん」(声:中尾隆聖さん)が、番組のリニューアルについてこんな台詞を言うシーンがあった。
「いろいろ変わったから分からんことが多いな。まあ、変わっていくのも悪くないか」