酔客に絡まれた女児を助けたことで神奈川県警から表彰された、プロレスラーのグレート―O―カーン(オーカーン)選手が2022年4月4日、新日本プロレス「HYPER BATTLE'22」の第5試合に出場した。
オーカーン選手が警察からの感謝状を盾に相手を挑発する様子が、SNSで話題になっている。
本業は「ヒール」
オーカーン選手は新日本プロレスで活躍するヒール(悪役)レスラー。一人称は「余」で、自らをドミネーター(支配者)と名乗る。自身のファン以外は愚民と呼んでおり、人々に「ひれ伏せ愚民どもっ!」などと容赦ない罵詈雑言を浴びせる。一方で、自身のファンについては帝国民と呼び、大事にすることで知られている。
新日本プロレスの公式サイトによれば、オーカーン選手は3月29日、JR武蔵小杉駅構内で、酒に酔った男性に腕をつかまれた女児(10)を救出した。最初は親子喧嘩かと思ったが、目が合った女児に「助けてください!」と訴えられたことを受け、男性を片手で取り押さえたという。偶然持っていたパンケーキを女児に差し出すなど、配慮していたことなどが伝えられた。
この功績が認められ4月4日には、神奈川県中原警察署から感謝状が贈られた。
同日夜、東京・後楽園ホールで新日本プロレスの試合「HYPER BATTLE'22」が行われた。オーカーン選手は感謝状を手にしながら、第五試合に登場した。表情はどこか得意げだ。観客席にはパンケーキのイラストを掲げる人もいた。
続いて、オーカーン選手が所属するユニット「UNITED EMPIRE」のアーロン・ヘナーレ選手、ウィル・オスプレイ選手、ジェフ・コブ選手が登場した。対峙するは、後藤洋央紀選手とYOSHI-HASHI選手、真壁刀義選手、YOH選手。オーカーン選手は「ヒーローになるんだよ!」と声を上げ、クリーンファイトを申し出る。しかしそれに応じて握手した後藤選手にすかさずキック。この奇襲をもって試合が始まった。
試合は、オスプレイ選手が後藤組のYOH選手を必殺技・ヒドゥンブレードで仕留めたことで、オーカーン選手ら「UNITED EMPIRE」の勝利となった。
「感謝状争奪マッチ」勃発
試合後、オーカーン選手らは後藤選手らの武器を持って挑発した。後藤選手とYOSHI選手らがリングに上がると、背後からオスプレイ選手とヘレーナ選手が襲い掛かった。
2人を組み伏せ、オーカーン選手はマイクを手に取り、次のように叫んだ。
「ひれ伏せ、後楽園の愚民ども!そして、帝国国際放送ことAbemaでケチくさく、無料で観ている愚民ども!そうだ、余が正義の味方だ!」
さらに後藤選手らに対し、リングで武器を使ったことについて「有罪だ!!」と挑発した。
怒った後藤選手たちは、オーカーン選手たちを場外に放り出した。オーカーン選手は感謝状を盾のように持ち出し、「正義の味方に何するんだお前!」と叫ぶ。後藤選手は「俺はオマエを信じてたんだ!」と奇襲への恨みを叫ぶ。YOSHI選手は「このベルトもその賞状も俺ものものだ!」と、次回の試合でオーカーン選手から賞状を奪うことを宣告した。
解説席は、両国大会で勝ったほうが感謝状をもらえるのではないかと推察して、「感謝状争奪マッチ新しいですね」とコメントした。
このパフォーマンスをめぐってはツイッターでも大きな話題となり、次のような声が寄せられている。
「警察からの感謝状を盾に挑発するの最高ですよ」
「感謝状を盾に なんて正義の味方だ」
「感謝状争奪マッチは笑うからやめて」