「日本にとっては『死の組』かもしれないですが...」
しかし、E組が「死の組」であるという認識について、サッカージャーナリストの石井紘人さんは4月4日、J-CASTニュースの取材にこう話す。
「一般的には、決勝トーナメントに行くであろうチームが3チーム~4チーム入っている組が『死の組』と呼ばれます。日本が入ったグループEは、日本にとっては『死の組』かもしれないですが、世界的に見ればスペインとドイツが決勝に行くであろうと思われている組です。客観的に見て、死の国とは言えない状況です」
過去のW杯、日本がグループリーグで大会優勝経験国と対戦したのは、98年フランス大会のアルゼンチン、06年ドイツ大会のブラジルの2回。優勝経験国と同一大会に2回対戦するケースは今大会が初であるため、石井さんは「どうしても『死の組』と言いたくなるのだろうなと思います」とファン心理、メディア心理を察した。
では、「死の組」とは具体的にどのような組を指すのか。石井さんが例示したのは、02年の日韓W杯のグループF(アルゼンチン、ナイジェリア、イングランド、スウェーデン)だ。いずれも当時、世界的な強豪国として知られていたが、アルゼンチン、ナイジェリアが敗退を余儀なくされた。
今大会に「死の組」は存在するのか。石井さんは、EURO(UEFA欧州選手権)2020王者のイタリアが出場していないことや、各組に強豪国がばらけたこともあり「世界的にインパクトのある死の組はないのでは」と分析する。ただ、18年ロシア大会準優勝のクロアチア、同大会3位のベルギー、北中米カリブ海予選を1位で勝ち上がってきたカナダが同居するグループFが「強いて挙げるならば『死の組』といえるのではないか」とした。