アイシン社は2022年4月4日、3日に開催された全日本ラリー選手権「ツール・ド・九州 2022 in 唐津」で、同社が運営するレーシングチームの所属ドライバーが一般道で危険運転をしたとして、謝罪文を発表した。
危険運転があったのは唐津市内の一般道で、競技区間から別の競技区間へ移動する際だった。該当選手の行動を受けて、チームは当面活動を休止するとしている。
追い越し禁止区間での追い越し行為
この大会は日本最高峰のモータースポーツ選手権のひとつである「全日本ラリー選手権」の一試合だった。アイシンが運営するチーム「AISIN RALLY TEAM with LUCK」が参戦していたものの、出場選手は失格判定となっていた。
アイシンは4日、公式サイトに「全日本ラリー Rd.2 ツール・ド・九州 2022 in 唐津での AISIN RALLY TEAM with LUCK の危険運転に関するお詫びについて」と題した謝罪文を公開した。
「4月3日(日)に唐津で行われた全日本ラリーにおきまして、当社が参戦する AISIN RALLY TEAM with LUCK の車両が一般道を走行中、道路交通法違反および、 付近を走行中の一般車両に危険を及ぼす走行をいたしました。法令に違反したことに加え、一般車両を運転されていた方に危険な思いをさせてしまったことを、深くお詫び申し上げます」
発表によれば、違反行為および危険走行に関する具体的な内容は以下の通りだ。
(1)一般道を移動中、先行していた競技車から追い越しを促された際、道路交通法上の追い越し禁止区間にもかかわらず追い越しをかけた。
(2)追い越し直後に左折すべき三差路を見落とし、ハンドルを切り対向車線にはみ出しながら左折したため、走行中の一般車両の進行を妨げ危険な走行をした。
「自動車レースのイメージが悪くなる」
チームとしての活動は、当面休止するという。あわせて、チームや企業としての在り方を今一度見直すとしている。
「原点に立ち返ってモータースポーツに取り組む意義を見直し、あらためて報告させていただきます。また、自動車産業に携わる企業として、弊社グループの従業員に対する安全運転教育、交通ルール遵守をあらためて徹底していまいります」
アイシンのドライバーが危険運転をした箇所は、一般道を閉鎖してタイムアタックを行うスペシャルステージ(SS)の間にある「リエゾン」と呼ばれる箇所だった。一般道を走行するため、レース中でも交通法規を守ることが求められる。
対向車線に乗り出し一般車両を遮るように左折するレーシングカーの写真など、違反の様子はSNSでも拡散されており、「ラリーを含め自動車レースのイメージが悪くなる」「ラリーの印象が悪くなった」など厳しい反応が寄せられていた。
4/3に唐津で?われた全?本ラリーにおきまして、AISIN RALLY TEAM with LUCK の?両が?般道を??中、道路交通法違反および付近を??中の?般?両に危険を及ぼす??をいたしました。法令に違反したことに加え?般?両を運転されていた?に危険な思いをさせてしまったことを深くお詫び申し上げます。 pic.twitter.com/dn6e22ghie
— 株式会社アイシン (@AISIN_PR) April 4, 2022