東京メトロの有楽町線・南北線延伸がもたらすメリットは? ターゲットは再開発進む豊洲・品川

住吉駅の構造は半蔵門線直通への準備か

   運行形態はどんなものが予想されるか。実は半蔵門線住吉駅と有楽町線豊洲駅には既に延伸を想定した設備がある。豊洲駅は和光市方面と新木場方面のホームの間に使われていない線路を設けた2面4線構造で、使われていない真ん中2線は仮ホームを設けて歩行可能にしている。

   前出の経緯から半蔵門線の住吉~押上間はもともと有楽町線の分岐線として計画された。住吉駅の半蔵門線ホームは上下が分かれた2層構造で、列車が発着する本線の反対側に柵で仕切られた線路がある。現在は日中の車両留置に使われているが、住吉駅押上側で本線から分かれたこの線路は、そのまま南側に延伸して有楽町線豊洲駅までつながる構造を想定しているという。豊洲駅の中線から住吉駅半蔵門線ホームに乗り入れ、さらに押上方面に直通できることで、延伸効果はより大きくなる。

   「江東区ではデータイムは豊洲~住吉間の折り返し運転を行い、ラッシュ時に有楽町線池袋まで直通するダイヤで効果を試算しています。ただ単純な折り返し運転にしてしまうと上下でホームが分かれている住吉駅の乗り換えがわかりにくくなるので、押上方面への直通を前提にダイヤを組む可能性もあります」と枝久保さんは話す。

   延伸部から押上方面への直通が実現すれば押上・錦糸町・豊洲が一本の鉄道で直結されることになり、南北の人の動きも活発になりそうだ。

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