学生の足遠のいたコロナ禍、一時は閉店を決断
店舗前の広場には椅子が置かれ、学生たちが談笑している。サブウェイに通っていたという工学部の学生は、J-CASTニュースの取材に「お店の目の前にあるオープンスペースでの学友との語らいは、大学の時間が多くない昨今において貴重な時間でした」と話す。
店に通い詰めた学生たちはやがてキャンパスを離れ、社会へ羽ばたいていく。「通常の店舗のように人目に付く場所ではないので、どちらかといえば『学校の一部』になっていますね。スタッフの年齢層が高いこともあり、ある意味、子供を見守るような感覚で、お客さんと接しているかもしれません」(松村店長)
かつてはお昼時になると学生たちで賑わいを見せていたサブウェイだが、コロナ禍で状況が一変する。20年春からオンライン授業が始まり、学生の足がキャンパスから遠のいた。緊急事態宣言の発出もあり、長期休暇中の休業も合わせ、年に半分ほどしか営業できなくなった。
「昔のような活気がなくなってしまいました。店を開けていても、お客さんが来ない。2年経って、それに慣れてしまいました。今後どうなってしまうのだろう、これでやれるのか、続けていけるのか。自分たちではどうすることもできない状況が続いていました」
こうした状況を鑑み、運営会社は営業の継続が難しいと判断。22年2月18日での閉店を決定し、今年1月初めに「閉店のお知らせ」を店の前に掲示した。「ずっと働いてきたお店がなくなるのは寂しくて、悲しいことでした。ただ、『営業はできないけど、お店はまだある』という状態が続くのも、それはそれで辛い部分がありました」(同上)
閉店の張り紙はツイッター上で拡散され、店に思い入れのあるユーザーから「嘘でしょ!?!?そんな...」「悲しい」「サブウェイのない工学部なんて」などの声が集まった。当時、閉店の報を聞いた工学部の学生は、取材に「とても悲しかった」と振り返る一方で、「対面授業が少ない時世だったので、仕方ないとも思っていました」と運営方針に理解を示した。