巨人の新守護神・大勢の「不安要素」 能力は球界トップクラスも...懸念される右ヒジの故障歴

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   巨人の新守護神に指名されたドラフト1位右腕・大勢が鮮烈デビューだ。

   開幕の中日戦(東京ドーム)で2点リードの9回にプロ初登板。先頭打者の平田良介を自己最速タイの158キロの直球で空振り三振を仕留めたが、スライダー、フォークの制球に苦しみ直球を狙われた。4番・ビシエドに死球を与えて2死満塁と一打逆転の大ピンチを迎えたが、大勢は動揺しない。5番・木下拓哉を内角に食い込む156キロでバットを折り、投ゴロに仕留めて無失点で締めくくった。

  • 原辰徳監督(写真:AP/アフロ)
    原辰徳監督(写真:AP/アフロ)
  • 原辰徳監督(写真:AP/アフロ)

「球界を代表する右腕になる可能性」

   この快挙だけでも凄いのだが、連投した開幕2戦目は修正能力の高さを見せた。

   2点リードで打順も前夜と同じ並びだったが、平田良介、大島洋平を共にフォークで2者連続3球三振、岡林勇希を153キロ直球で中飛と3者凡退の危なげない内容だった。新人でプロ野球史上初の2試合連続セーブをマークした。続くヤクルトとの3連戦でも、危なげない投球で初戦・2戦目とセーブを記録している。

「直球の威力は巨人でトップでしょう。変化球もスライダー、フォークの精度が思った以上に高い。能力的には球界を代表する右腕になる可能性を十分に秘めています。

不安があるとすれば故障ですね。大勢は大学時代に度重なる右肘の故障で思うように投げられない期間が長かった。プロ野球のシーズンは長い。心身で疲労が来る時期は当然くる。その時に状態が悪いながらも抑え続けられるか。

新人の時に守護神として大活躍した山崎康晃(DeNA)、栗林良吏(広島)はこの能力が高かった。大勢も走者を出してもいいから、失点しなければいいというマインドで投げてほしい。内容まで毎回完ぺきを求める必要はないと思います」(スポーツ紙記者)

巨人リリーフ陣の救世主に

   ドラフト1位で巨人に入団した大勢だが、関西国際大ではリーグ通算16試合登板で4勝3敗、防御率2.38と目立った成績を残せていない。潜在能力は申し分なかったが、3年時に新型コロナウイルス感染拡大の影響で春季リーグ戦が中止になり、同年秋のリーグ戦も右ヒジの炎症で登板なし。4年春のリーグ戦も右ヒジのコンディション不良でリーグ戦登板は1試合のみと故障との戦いだった。

   昨季守護神を務めたビエイラの状態が上がらず開幕2軍スタートになったため、新守護神の大役を引き寄せた。実力だけではない。この運の強さもスター選手になる上で大事な要素だ。

   大勢が3連投を回避した開幕3戦目の中日戦では、2点リードの9回に投入されたデラロサが救援失敗。延長戦の末に中日に逆転負けを喫した。救援陣が盤石と言えない状況で、大勢にかかる期待は大きくなるばかりだ。(中町顕吾)

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