父への感謝
父への思いを語ったサワヤン兄弟に、J-CASTニュースは、父のどんな点を尊敬しているのか尋ねた。サワさんは、父の行動力や勇気を尊敬していると語る。
父はウクライナ在住時から日本が大好きで、いつか日本で仕事をしたいという夢を持っていたという。その夢をかなえるため、父はまず1人で来日した。
「言葉もろくに喋れず、現地の友人も全くいない国に、単身赴任してきて、そこで仕事を見つけて家族を養うとするその覚悟、その行動力。やはり勇気ある行動だと思います。
父がウクライナから家族を連れてきてくれたおかげで、僕たちはこうやってこの場に座ってスピーチできています。これは紛れもなく父の努力が実った結果です。父には感謝してもしきれないですし、やはりすごく誇りに思っています」
また記者団からは、日本政府の対応などについても尋ねられた。サワさんは満足していると語る。「他国のように日本政府からもウクライナに対し武器などを送るべきと考えているのか」という質問に対しては、次のように述べた。
「日本は世界的に見てもトップクラスに平和な国だと思います。その国が今起こしているアクションは真っ当なものだと思います。金銭的支援や、防弾チョッキ、ガスマスクなどの支援の話も出ております。武器を送るのは、日本が担う役割ではないと思います。
他の国々に問題意識を待たせ、アジアの中でリーダーシップを発揮して平和を訴えることが、現状、日本のやるべきことだと思っています。『もっとできることもある』という声もあるかと思いますが、僕の中では本当にありがたいことだと考えていますし、ウクライナの力になっていると思います」
最後に会見の司会者から、サワヤン兄弟の知りうる情報の中で、停戦の可能性はあるのか尋ねられた。サワさんは「終わってほしい気持ちはあるが、緊張は抜けない」と語る。
「戦争が始まる前の意識を思い出してみてください。仮に停戦したとしても同じような感覚で戻れるでしょうか?すでに長い年月か必要となってしまっています。
なので、今できることを明日のために全力でやっていくしかないと思います」
(J-CASTニュース編集部 瀧川響子)