国民民主党が2022年度の当初予算案に賛成したことについて他の野党から厳しい目が向けられる中、世論調査では賛成の判断を「評価する」という回答が過半数だ。だが、多くの世論調査で政党支持率は低迷を続けたままだ。
玉木雄一郎代表は22年3月29日の定例会見で、それは「固定電話の調査が多いから」だと説明。自宅にいる高齢者の回答者が多い調査では支持率が低くなる傾向がある一方、若い人や携帯電話利用者の回答者が多い調査では、支持率が高めに出ているとの見方を示した。「どうしても歳がいってくると、いろんな固定的な考え方になりがち」とも話し、高齢者にも理解を求めていきたい考えだ。
携帯電話のサンプルが多い毎日新聞調査は支持率4%
日本経済新聞社とテレビ東京が3月25~27日に行った世論調査の結果によると、国民民主の予算案賛成の判断を「評価する」と答えたのは56%で「評価しない」の28%を上回った。ただ、国民民主の政党支持率は1%と、前回2月調査から横ばいだった。
この結果への見解を問われた玉木氏は、支持率が低く出る理由を「固定電話の調査が多いからだと思う」とした上で「携帯電話の比率の高い調査を見ると我が党にも(支持率が)出ている」と話した。日経調査では、その方法について
「全国の18歳以上の男女に携帯電話も含めて乱数番号(RDD)方式による電話で実施し976件の回答を得た。回答率は43.1%だった」
と説明しており、固定電話と携帯電話の比率は分からない。
ただ、それを明らかにしている世論調査も多い。毎日新聞と社会調査研究センターが3月19日に行った調査では、
「目標サンプル数を携帯700件・固定300件に設定し、携帯718件・固定322件の有効回答を得た」
とあり、固定電話よりも携帯電話のサンプルを重視している。この調査では、国民民主の支持率は4%で、前回2月調査から横ばいだった。共同通信が3月19、20日に行った調査では、固定電話524人、携帯電話529人から回答を得た。国民民主の支持率は2月よりも0.3ポイント高い2.7%だった。TBSが3月5~6日に行った調査では、有効回答数1229人のうち固定電話が608人、携帯電話が621人。国民民主の支持率は2月よりも0.2ポイント低い1.4%だった。
玉木氏が指摘するように、携帯電話のサンプルが多い調査の方が、支持率が高めに出る傾向はうかがえる。
予算案賛成は「年が上がるにつれて『どうなんだ』という声が増えている」
TBSの調査でも予算案の賛成について質問している。「適切だった」55%に対して「適切ではなかった」は22%。「答えない・分からない」も23%いた。TBSの調査では年代別の回答は分からないが、日経の調査では予算案賛成を「評価する」と答えた人の年代別の割合が明らかになっている。18~39歳が63%、40~50歳代が65%、60歳以上は51%で、高齢者の「評価する」が少ないことが分かる。
玉木氏は
「各社の分析を見ているが、年代が若い人ほど『賛成でよかった』という人が多くて、年が上がるにつれて『どうなんだ』という声が増えているという傾向」
だと説明。労働組合幹部からは
「現役の組合員からあまり反発は出ていないが、OBの人から『なんだ』という声が出ている」
といった話を聞いたとして、年代によって反応に大きな差が出ているとの見方を示した。その上で次のように話し、高齢者にも理解を求めていく考えだ。
「どうしても歳がいってくると、いろんな固定的な考え方になりがちなので、『こういうことなんですよ』『世の中も変わっているし、政治も変わらなきゃいけませんよ』ということを丁寧に、我々としてもご説明をし、また理解を求めていくことが必要」
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)