電力不足で停電...実際に起きたらどうする? 経験者がSNSで語り継ぐライフハック集

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   ツイートまとめサービスTogetter(トゥギャッター)を運営しているスタッフがTwitterで注目された話題を厳選し、考察するコラムの第44回をお送りします。今回のテーマは「節電や停電の情報がTwitterでシェアされる様子」です。

Togetter社が解説する「3分くらいで分かる週刊Twitterトレンド」<出張版>

   2022年3月21日、東京電力管内と東北電力管内に向けて政府から「電力需給ひっ迫警報」が出されました。16日に福島県沖で発生した地震の影響で、東北・東京エリアの火力発電所6基が停止している中、気温の急激な低下による暖房の需要が見込まれ、電力の消費量が供給量を上回ると予想されたのです。

   このままでは大規模な停電が起こってしまう恐れがあるという事態に、警報や節電についての情報はすさまじい勢いでTwitter内をかけめぐりました。

   <【電力需給ひっ迫警報】東京電力「節電が思うように進んでいないため、揚水発電が枯渇した場合、夕方以降に一部で停電がおきる恐れがある」 - Togetter>

   「電力需給ひっ迫警報」は2011年の東日本大震災後に電力需給がひっ迫したことを受けて導入されたもので、今回は初めての発令でした。そして大規模停電を防ぐための対策としては、東日本大震災の直後に実施された「計画停電」が思い出されます。

  • 停電したらどうする?(画像はイメージ)
    停電したらどうする?(画像はイメージ)
  • 停電したらどうする?(画像はイメージ)

蘇る「ヤシマ作戦」の記憶

   東日本大震災では発電設備が大きな被害を受けたほか、原子力発電所が停止したことで電力供給量が大きく低下。不測の大停電を避ける対策として、地域ごとに計画的な停電が実施されました。当時の様子は「NHK生活・防災( @nhk_seikatsu )」のツイートなどからうかがえます。

   <東京電力・東北電力の15日以降の計画停電について - NHK生活情報部のツイートより - Togetter>

   そして、当時Twitterではアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の「ヤシマ作戦」になぞらえて節電への協力を呼びかけるムーブメントが起こりました。「ヤシマ作戦」は、日本の電力すべてを敵である「使徒」を倒すために注ぎ込む作戦です。

   <(無編集)関東での節電を呼びかける「ヤシマ作戦」の参加者発言ダイジェスト - Togetter>

   今回の「電力需給ひっ迫警報」に際し、2011年当時の状況を重ねるユーザーも多く、Twitterでは「ヤシマ作戦」がトレンド入り。偶然にも、作戦名の元になった源平合戦における「屋島の戦い」も、同じ3月22日だったと指摘するツイートも話題になりました。

   防災情報を発信するTwitterの人気アカウント「特務機関NERV(@UN_NERV )」も、エヴァを連想させる画像で節電への協力を呼びかけ。もともとエヴァのファンが立ち上げた同アカウントは2011年の「ヤシマ作戦」を広めた立役者でもあり、現在は活躍を知ったエヴァの著作権管理会社から公認され、気象庁から予報業務許可事業者の認可も受けています。

節電にそなえて気をつけたいこと

   今回の「電力需給ひっ迫警報」に際し、民間の気象情報会社・ウェザーニューズは、「できる限り節電を意識してください」とすぐに実践できる方法をTwitterで発信。大きく拡散しました。

   テレビやパソコン画面の明るさを下げる、炊飯器や電気ポットの長期保温はしないなど、どれも家庭でできる節電方法なので災害時だけでなく普段から心がけておくとよさそうですね。

   <『東京電力管内に電力需給ひっ迫警報』家庭でできる節電方法まとめ - Togetter>

   ただし、昔とは節電の方法が変わっていることもあるようです。「テレビ本体の主電源を切る」はいかにも節電になりそうですが、現在では故障の原因になる場合があるとか。家電製品の節電については、取扱説明書を確認してから行ったほうがいいでしょう。

   <「テレビ本体の主電源を切ると節電になる」という30年前の情報をやっていたら、電源基盤が壊れ膨大な修理費がかかる結果に - Togetter>

停電が起きたらどう対応する?

   では、実際に停電したらどうすればいいでしょうか。2018年の北海道胆振東部地震や2019年の台風15号など、自然災害によって大規模な停電が起きるたびTwitterでは対策方法がシェアされてきました。

   夜に停電が起きた場合、まず必要になるのは明かり。緊急時に備えて懐中電灯を用意している人は多いと思いますが、光の当たる範囲が狭く暗い家の中では明かりの量が足りないことも。そんな時は水入りのペットボトルを使えば簡易ランタンが作れる、さらに牛乳を少し入れて濁らせるとより明るくなる、といった情報は多くのTwitterユーザーの注目を集めています。

   <「懐中電灯でランタン」「牛乳を数滴水に入れる」「ペンライトは赤か青を使え」地震で停電になったときに使えるライフハックまとめ - Togetter>

   2018年の台風21号による被害で停電を経験した漫画家の野間美由紀さんは、当時「14時間停電しましたが、冷凍庫を一度だけしか開けなかったらあずきバーは無事でした」とツイート。この経験から「停電が起きたら冷蔵庫は開けないほうがいい」とアドバイスしています。

   また、東日本大震災後の計画停電を通して、本当に必要だったものといらなかったものをまとめたユーザーも。夏場にエアコンが使えず窓を開けることから防虫対策が必要だった、反対に過度な電池の買いだめは必要ないと感じた、など経験に基づいたツイートは多くの人が参考にしていました。

   <停電したら冷蔵庫は開けないというライフハックが話題に→実践した方たちの結果報告や条件「冷凍室はなるべくギッシリ」 - Togetter>

   <計画停電に際し、いるものいらないもの - Togetter>

   今後も同じような電力不足が起こらないとも限りません。地震や台風を含む防災対策のひとつとして、節電や停電への備えはしておきたいですね。以上、Togetterがお送りする「3分くらいで分かる週刊Twitterトレンド出張版」でした。次回もお楽しみに。

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