成り上がりで幕政を握った北条氏
「鎌倉殿の13人」では承久の乱も終盤に描かれると予想されるが、コミカルな要素も多いドラマとは裏腹に史実は血なまぐさい陰謀と粛清が相次いだ。
「もともと北条氏は伊豆の豪族にすぎず家格の低い家です。彼らが幕政を掌握していく、成り上がっていく過程が鎌倉時代初期です。ライバルの御家人を蹴落としていくために、陰謀に暴力と実力を持って成りあがっていったわけです」(本郷さん)
第11話では感情露わに号泣する場面も描かれた北条義時だが、史実の義時は権謀術数に長けた冷徹な政治家でもある。ユーモアを交えて進んでいる「鎌倉殿」だが、幕府内部の権力闘争で「豹変」していくかどうかも見どころになるかもしれない。
「まだ武士の時代が始まったばかりで、後世と比較すると彼らの政治手法も荒々しい時代です。武家社会がどういう形であれば安定するのかを模索し続け、そのひずみが現れていたのが平安から鎌倉に至る一連の争乱といえるかもしれません。日本史上、古代から中世への転換期にあたる時代なのですが、陰謀や粛清からくる血なまぐささ・荒々しさがさほど人気が無かった一因かもしれません」(本郷さん)
「平家物語」で日本人に長く知られてきた治承・寿永の争乱と異なり、鎌倉時代初期は比較的地味な時代とみなされていたかもしれないが、「鎌倉殿の13人」で注目度は上がるか。
(J-CASTニュース編集部 大宮高史)