高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
全面解除の「まん延防止」に効果はあったのか?

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   新型コロナウイルス対策で東京や愛知、大阪など18都道府県に適用されていたまん延防止等重点措置が2022年3月22日、全面解除された。

   ここで、一般的な素朴な疑問がある。まん延防止は効果があったのか。

  • 岸田文雄首相
    岸田文雄首相
  • 岸田文雄首相

論文にはワクチンの効果を織り込んでいないものも少なくない

   一昨春以来、人流を減らせば感染を抑えられるという考えの下で、緊急事態宣言、まん延防止措置がとられてきたが、この考え方は科学的に本当に正しかったのか。

   この種の話について、世界中で様々な論文が出されている。多くのものは、人流抑制策は、一定の感染を抑える効果があったが、それとともに経済活動を著しく低下させたという。

   人流抑制策が経済活動を低下させたのは、専門家の論文を見なくてもわかる。しかし、人流抑制策に一定の感染を抑える効果があったというのは、筆者としてはやや疑問だ。

   というのは、これまで発表された論文は昨年までのデータであり、ワクチンの効果を織り込んでいないものも少なくない。さらに、人流抑制策は、感染が増加した後に行われるが、その後に感染が収まった場合には、データとしては効果にみえる。しかし、世界のデータを見ていると、ワクチンも人流抑制策も十分でないので、自ずと感染が収まるケースもなくはない。もし、自ずと感染が収まるのであれば、人流抑制策が感染を抑えたと思われるのも、見かけ上の「効果」かもしれない。

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