「事実上の与党」に候補者調整申し入れ? 立憲が苦慮する国民民主との距離感

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候補者調整は「丁寧に話し合いをしていく」

   西村氏は一方で、候補者調整については国民民主への働きかけを続けたい考えだ。国民民主を与党に近い存在とみなしていることとの整合性について問われると、次のように説明した。

「自公政権の議席を一つでも減らしていくということが、私は緊張感のある政治を取り戻していくために、どうしても必要だというふうに思う。私の責任としては、候補者調整というのは引き続き追求していかなければいけない。この参院選は、そういう意味でも非常に重要。野党第1党として私たちがきちんと責任を果たしていくためにも、そこは丁寧に話し合いをしていく。そのことは必要だと思うのでこれからも追求していく」

   ただ、西村氏が言う「野党第1党」としての責任が果たせるかは現時点では不透明だ。立憲の泉健太代表は3月18日、共産党、社民党、れいわ新選組の3党と相次いで党首会談し、1人区での候補者調整に合意。国民民主は会談に応じなかった。

   国民民主の玉木雄一郎代表は3月22日の定例会見で、この経緯について問われると、1人区で立憲・国民民主が競合しているのは宮崎県しかないことを挙げ、

「すでに選対レベルで協議が行われていると承知しているので、協議が『持ちかけられたら受ける、受けない』のレベルではなくて、すでに始まっているという認識」
「衆院選の時から方針は明確だが、共産党さんと選挙協力、選挙区調整をする、我々は意図は持っていない」

などと話した。

   立憲に対して国民民主との対決姿勢を鮮明にするように求める声も出始めた。毎日新聞は3月23日付朝刊の社説で「自民に近づく国民民主 もはや野党とは言えない」の見出しを掲げ、

「昨年の衆院選は一部選挙区で他の野党と候補者調整を行い、野党陣営の一角だった。半年もたたずに与党に接近するのは、投票した有権者への裏切りではないか」

などと国民民主を非難。参院選の候補者調整については

「野党が候補者を一本化し、自民と1対1の構図を作ることが重要だ。国民民主の姿勢が変わらないのであれば、立憲は関係を見直すべきだろう」

と主張した。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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