ウクライナ大使館に「千羽鶴」を 平和願い折るも寄贈断念、発起人の胸中は

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「折り鶴なんて意味がない」風潮に思ったことは

   報道後、保井さんのFacebookに寄せられたのは「千羽鶴を送るのは迷惑ではないか」との指摘だった。

   千羽鶴は「平和のシンボル」として、長く日本で親しまれてきた。災害からの復興を願い、自治体に寄贈されることもある。しかし、東日本大震災(11年)など大規模な自然災害が多発する近年では、被災地に贈られる千羽鶴が、必要物資の供給を妨げる「ありがた迷惑なもの」として認知されるケースが目立っていた。

「記事が出た後、いろいろな方から反応をいただきました。フランスにいた時間が長く、東日本大震災のときも日本にいなかったので、(被災地で)そういう問題が起こっていたことは知りませんでした」(保井さん)

   寄せられた指摘を「なるほど、そういうものなんだ」と受け止めた保井さん。メンバーと考えた末、千羽鶴の大使館への寄贈を断念した。

   一方で、寄せられた反応からは「折り鶴なんて意味がない」というニュアンスも感じ取ったと話す保井さん。次のような言葉を投げかけた。

「例えば、ご家族の中でウクライナの問題を考えながら鶴を折ることは、『自分がウクライナにいたらどうする?』『お父さんが戦いに行くとなったらどうする?』と想像を巡らせるきっかけになると思います。折り鶴を受け取る外国の方からすれば、『日本の人たちがこんなものを折ってくれたんだ!』と励みになる。日本の文化が持っている大切なことが、必要以上に蔑まれているなと感じます」

   今後、千羽鶴が完成した際は「宿屋揖斐川」に飾る予定だ。「宿に来るお客さんと一緒に、ウクライナの問題を考えるきっかけにしたいと思います」

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