「トランプ支持者」と「トランプ信者」の違いは?
同書では戸別訪問で、そして、支援者集会で出会ったトランプ支持者に対し、横田さんがジャーナリストであることを伏せつつ取材を行っていく様子が描写されている。さまざまなバックグラウンドを持つ人に話を聞く中で明らかになったのは、潜入取材だからこそ触れられるトランプ支持者の本音だったと横田さんは語る。
――1章「トランプ劇場に魅せられて」には、「トランプも興味深いのだが、トランプ支持者の話もそれ以上に面白い」という横田さんの感想が出て来ます。実際私も読んでいてそう思いました。
横田:何というか......「トランプに将来を託している」という感覚でしょうか。「トランプを支持すれば、素晴らしい世界がやって来る」という思いでしょうか。トランプ支持者が言う素晴らしい世界とは、「減税が実施される」「福祉に頼る人が減っていく」といった、人々が自助の精神を持つようになっていくという要素があるんですが、これらの論点をトランプは叶えてくれるという思いがあるように感じました。
――本に出てくる「トランプ支持者」と「トランプ信者」の違いについてお教えください。
横田:本を書く上で気を付けたのは、「トランプ支持者」は「大統領選挙においてトランプに投票した」という人のことです。一方、「トランプ信者」は「トランプに投票し、かつ、選挙後に『トランプは負けてない!』と主張した人」のことです。そういうわけで、「支持者の中に信者がいる」という構造です。なお、トランプ信者は負けを認めない際に「選挙が盗まれた!」という表現をよく使っていました。