トランプ信者とコロナ陰謀論者は似ている? 大統領選潜入の記者が感じた「極論の危うさ」

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   「今日、アメリカの民主主義が死んだ」――衝撃的なフレーズがプロローグに書かれている。「ユニクロ潜入一年」「潜入ルポamazon帝国」で知られるジャーナリストの横田増生さんの新著「トランプ信者潜入一年」だ。

   現地2021年1月6日に発生した、米連邦議会襲撃事件。以前からアメリカ大統領選挙を取材したいとの意欲を持っていた横田さんは2019年12月からトランプ陣営にボランティアとして潜入しながら大統領選挙を取材。その結果、連邦議会が襲撃されるという「民主主義の死」を現場で目にしたのだった。

   22年2月28日刊行の「トランプ信者潜入一年」は、その潜入取材の始まりから襲撃事件を目にするまでをまとめた書籍だ。J-CASTニュース編集部は、著者の横田さんに潜入取材の裏側、そして、アメリカの民主主義をどう感じたかについて聞いた。

(聞き手・構成/J-CASTニュース編集部 坂下朋永)

  • 「トランプ信者潜入一年」を上梓したジャーナリストの横田増生さん
    「トランプ信者潜入一年」を上梓したジャーナリストの横田増生さん
  • 現地時間2021年1月6日に発生した「連邦議事堂襲撃事件」の様子(写真:ZUMA Press/アフロ)
    現地時間2021年1月6日に発生した「連邦議事堂襲撃事件」の様子(写真:ZUMA Press/アフロ)
  • 「トランプ信者潜入一年」を上梓したジャーナリストの横田増生さん
  • 現地時間2021年1月6日に発生した「連邦議事堂襲撃事件」の様子(写真:ZUMA Press/アフロ)

目の当たりにしたのは、「熱狂」だった

   書籍は横田さんが2019年12月中旬にミシガン州内でアパートを借り、翌20年1月下旬に同州のランシングにある共和党の支部で、同党の大統領選挙のボランティアとしての登録を済ませるところから始まる。

   ジャーナリストとして5年間のビザを取得していたという横田さん。同書では、ビザでジャーナリストであることが明らかになるリスクを排除すべく、現地で運転免許証を取得するなど入念な準備をした上で取材を始めたことが明かされる。

   横田さんは、戸別訪問に参加するなど党員として活動しながら、当時、現職だったドナルド・トランプ大統領が共和党候補として党内をまとめるべく各地で行っていた支援者集会にも足を運んだ。そこで目の当たりにしたのは、トランプの支持者が熱狂する姿だったという。

――「トランプ信者潜入一年」の1章に書いてありましたが、横田さんが参加した支援者集会のうち、最初に参加したのはオハイオ州のトレドで行われた支援者集会だったんですね。会場内の雰囲気はどんな感じでしたか。

横田:まさに、「熱狂」でした。加えて、選挙ですから「敵がいる」という要素が加わるので、その熱狂はさらに強いものとなります。会場内には「Sleepy Joe!」(寝惚けたバイデン)のように、ジョー・バイデン大統領を揶揄する声が上がっていました。

――「熱狂」というのは、具体的にはどんな感じでしょう。何かに例えられたりしますか?

横田:会場内はさながら「コンサート会場」だったとでも言えば良いでしょうか。とにかく、「支持者たちが熱かった」です。

支援者集会の際にボランティアに配られたパス

――本のプロローグには、大統領選挙が終わった後の2021年1月6日に発生した連邦議事堂襲撃事件を目の当たりにして、「今日、アメリカの民主主義が死んだ」という衝撃的な言葉があります。民主主義の象徴である選挙の結果をトランプ信者が破壊しようとしたわけですが、取材開始時点ではここまでの惨劇を見てしまうと予想はしていたのでしょうか。

横田:襲撃事件が起こるとしたら、それは、トランプが負けない限り起こらなかったでしょうから、どちらが勝つか分からない取材開始時には、当然ながら全く予想してなかったですね。何せ、「連邦議事堂が襲撃される」なんて、前代未聞でしたからね。目撃する当日まで、全く想像できなかったです。

――今回の潜入取材を思い立ったきっかけをお教えください。

横田:以前からアメリカ大統領選挙は以前から取材したいと思っていたのと、トランプがどういう人物なのかということに強く関心を持っていたことですね。
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