白い皿がもらえる山崎製パン(東京都千代田区)の「ヤマザキ春のパンまつり」は、毎年ツイッターなどで盛り上がるインターネット上でも人気のキャンペーンだ。フランスの有名ブランドの皿を採用しており、2022年の今年も「一枚も割れたことない」「品質が凄い」などと話題を呼んでいるが、そもそもなぜ白い皿なのか。J-CASTニュースは2022年3月18日、山崎製パンにプレゼントの背景を取材した。
「清潔感とスマートさにあふれた、おしゃれなお皿として好評」
山崎製パンは、1981年から毎年春、商品に貼られた点数シールを集めて白い皿に交換するキャンペーンを実施している。配る皿は初開催から現在まで、フランスのデュラン社(現・アルク)のものを採用している。なぜなのか、広報は次のように説明した。
「第1回目の『春のパンまつり』キャンペーンを実施するにあたり、パンを食べる朝の食卓をイメージして、パン食文化の本場であるフランスのデュラン社製(現在はアルク・フランス社)の真っ白なお皿を採用しました。同社は、世界最大のガラス食器メーカーと言われています。この白いお皿は清潔感とスマートさにあふれた、おしゃれなお皿として好評をいただいたことから、以後、継続して景品としています」
第1回からこれまでの皿の交換枚数は約5億4000万枚。毎年楽しみにしているファンが多いため、山崎製パンは白い皿を配ることにこだわり続けている。
皿のデザインは毎年、新しいものを選んでいる。今年の「白いスマイルボウル」は、「パン食シーンとの相性の良さが抜群でスープやサラダの盛り付けに最適な、シンプルなデザインで少し深めのボウル型のお皿」だとしている。
広報によれば、昨年のキャンペーン開催中の3月ごろから流行やトレンドなどをもとに検討を開始。8月ごろには約10種類まで絞り、消費者モニターからの意見を参考にしながら、サイズや使い勝手の検討を重ね、11月に決定した。
重要なのは「最終的な交換枚数の予測」
キャンペーンを春に開催するのは、パンの消費量が最も多い時期だからだという。
「春は、気候的に食欲が増してくるシーズンであるとともに、新生活がスタートする季節であるため、手軽にお召し上がりいただけるパンは、朝食を中心に食卓に上がる機会が多くなるものと考えています」
42回目となる「ヤマザキ春のパンまつり」。20年は約1340万枚、21年は約1260万枚の皿を用意したという。広報は、過不足無く皿を用意できるよう気を配っていると明かす。
「『白いお皿』は、全てフランスで製造し、約2カ月かけて船で日本まで運びますので、『春のパンまつり』が終了する2カ月近く前に最終発注をしなければなりません。不足しても、すぐには入荷できないため、最終的な交換枚数の予測が重要となります」
全国各地の20か所を超えるパン工場の営業スタッフが、各地域の対象商品の売れ行きや交換率をもとに、予測枚数を算出している。この情報を本社に集約し、フランスに発注を行っているのだという。
広報は、白い皿で「パンの食シーンをさらに楽しんでいただきたい」と述べた。
(J-CASTニュース編集部 瀧川響子)