「一番さびれていた」商店街にあえて移住 営業店数ゼロからの再興へ、男性が描く釜石の未来

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コロナ禍の先へ

   仲見世通りを活性化するうえで、出店の応募を待つだけでは難しいかもしれないと神脇さん。そこで自らが事業を起こし、軌道に乗ったら別の人に任せて次の新しいビジネスを立ち上げる、というサイクルを考えている。「sofo cafe」では近々1人雇用し、運営自体を担当してもらうと話す。自身は売り上げ増のため外に出ての販売活動や、商店街に来てもらうような「新しいコンテンツ」を計画しているという。

   釜石に来てから、今年で4年。その間に、地元の事業者から東日本大震災の話も聞いた。津波で工場が流された。仕事をしたくても、仕事場がない。泣く泣く従業員を解雇した。そこから立ち上がり、再び事業を起こす。その思いが心に響いた。

   神脇さん自身も、地元に飛び込んだ。2年前、市民劇場で演劇の主役として登場したのだ。演劇は未経験。近所の住民に声をかけられたのがきっかけだったが、思い切ってチャレンジした。普段接点のなかった地域の人たちと交流する機会になった。

   地域おこし協力隊の任期である3年は過ぎた。だが今も事業を続けるよう、努力をしている。「事業を起こすのに、3年間で終わりというのはあり得ません」と話し、こう続けた。

「不動産開発は当たり前に10年、20年スパンで考えます。機能的でコンパクトで、みんながハッピーになれる街にできないか。そのための『絵』が、まず仲見世通りで描ければ、私なりの釜石への貢献になるのかな、と。まだ、始まったばかりですね」

   仲見世通りが、昭和の時代とは違った形でにぎわう姿が見られる日が、待ち遠しい。

(J-CASTニュース 荻 仁)

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