スープ専門店を運営するスープストックトーキョー(東京都目黒区)は2022年3月17日、レトルト離乳食「あかちゃんがなんどもおかわりしたくなる離乳食」の販売を再開すると発表した。販売中止の原因となっていた食味や食感の問題を解決したという。
同商品は店舗内で無料提供されているものと同一で、自宅でも同じ味が楽しめるとしている。
無償提供で人気を博していたレトルト離乳食
レトルト離乳食は、月齢9カ月から11カ月の子どもを対象としたもので、「鶏肉と7種の野菜のミネストローネ」など4種類。親会社のスマイルズ(目黒区)が運営するファミリーレストラン「100本のスプーン」と共同で開発した。料理としての旨味も楽しめるよう、食材の味を引き出す出汁などに力を入れたとしている。
20年11月から店頭や通販で販売していたが、一部商品に不良が発見された。パッケージ内で商品が固まり状になっていたという。スープストックトーキョーによれば、微生物検査の結果、安全性に問題はないものの、食味や食感が劣るため、21年2月に販売を中止。その後約1年かけ、「検査を重ね、安全性や食味食感に問題ないことが確認できた」として、22年3月31日から販売を再開する。味などに変更はない。
レトルト離乳食は20年11月の発売と同時期から、一部店舗内で無償提供されており、多い店舗では1日10杯ほどオーダーがあるという。広報担当者によれば、安全性に問題ないことが確認されていたことから、販売中止期間も無償提供は実施していた。また提供時には、従業員による献品・検食を徹底したとのことだ。
スープストックトーキョーの店舗内でのレトルト離乳食の無償提供は、ツイッターで注目が集まっていた。22年3月5日には「離乳食無料なの?神なの?」と紹介するツイートが投稿され、5000件超のリツイート、2万2000件を超える「いいね」が寄せられた。このほか「すごい食べる!」「味見したけど薄味で美味しかったよ」といったポジティブな声も相次いでいる。
SNSの口コミをきっかけに来店する客も
広報担当者によれば、離乳食は当初、子連れ客の多い1店舗のみで無償提供していたという。17年3月、名古屋市に星が丘テラス店をオープンし、「お子様連れのお客様に寄り添う店舗」を目指す一環でキッズメニューや離乳食の提供を開始した。
「離乳食は、提供当初からお客さまからの評判が良く、もっと多くのあかちゃんに『おいしい』を届けたいと思い始めたことがきっかけで、取り扱い店舗を増やして提供することになりました」
離乳食のメニューは現在とは異なるものの、当時から無料だったという。
レトルト離乳食の発売に併せ、20年11月からは同商品を店舗内で提供するようになった。同時期に、ルミネ新宿店、たまプラーザテラス店、キラリナ京王吉祥寺店、中目黒店など提供店舗も拡大した。現在は7店舗で実施しており、拡大の予定はないという。
離乳食の無償提供によって客層や客数に大きな変化は見られなかったものの、SNSの口コミをきっかけに来店する客もいたという。
「離乳食提供を楽しみにしていたとお話してくださったお客様がいました。最近はおかわりする子も多いです。木のカップでご提供する際に『可愛い!』と言って頂けることが多いです」
広報担当者は、「お父さん、お母さんとお子様の食事の時間を少しでも手助けできる存在になれたらうれしいです」とコメントした。