山口裕康商店(奈良県桜井市)が運営する小太郎岩キャンプ場は、同性カップルは利用できない旨を記した定員ルールを定めたことについて「LGBTQの方々への配慮が足らずに不快な思いをされた方々に対して深くお詫び申し上げます」と謝罪した。「LGBTQに関して、弊社が充分な知識を持ち合わせていない事が原因」としている。
「友人同士と区別がつきませんので異性ペアのみの受入れとなります」
定員ルールは2022年3月10日、小太郎岩キャンプ場がインスタグラムで公開していた。これによれば、1人での「ソロキャンプ」利用、カップルもしくは夫婦での利用、親子を含む家族での利用のみを受け入れるとしている。ただしカップルや夫婦については、「友人同士と区別がつきませんので異性ペアのみの受入れとなります」という。
このルールをめぐり、ツイッターやインスタグラムでは「同性カップルを拒否する姿勢が非常に差別的」「同性パートナーと一緒にキャンプを楽しみにしていたので残念です」といった声が寄せられた。
こうした指摘を受けて12日、小太郎岩キャンプ場は謝罪した。
「当キャンプ場の定員ルールの中に異性のカップルはご利用可能であり、同性カップルはご利用不可という意味合いの記述がございます。
これがLGBTQの方々に対する差別に当たるという事であり、当キャンプ場においてLGBTQの方々への配慮が足らずに不快な思いをされた方々に対して深くお詫び申し上げます」
そのうえで同性カップルについては、予約時にパートナーシップ宣誓制度に則った証明書やカードを確認し、受け入れ可能にするとした。
しかしSNSでは「なぜ同性のカップルのみが『証明書』がないといけないのか」「男女の友人がカップル偽装してるのはいいの?」といった批判が相次いだ。また「すべての自治体でパートナーシップ制度が存在するわけじゃない」といった声も寄せられた。
「皆さまに対して平等となるルールを協議しております」
小太郎岩キャンプ場は14日、インスタグラムで再び謝罪した。
「この度、頂戴したご意見をもとにルールの改正とお詫びをお伝えしておりましたが、その点においても不備がありました事を重ねてお詫び申し上げます」
「LGBTQに関して、弊社が充分な知識を持ち合わせていない事が原因であり、また週末の出来事であった事もあり、各機関に助言を求める事が出来ない状況でした」と説明し、今後について「弁護士とも協議の上、関係各所から適切な助言を賜りながら、最善のルール作りに取り組んで参る所存でございます。ただ、それには幾分時間を要する事をご理解下さい」としている。新たなルールが定まり次第、インスタグラムで公表予定という。
J-CASTニュース編集部は小太郎岩キャンプ場に15日、なぜ人数ではなく関係性による制限を設けたのか、批判をどう受け止めているか、などについて取材を申し込んだ。
運営する山口裕康商店の山口忠弘代表取締役は、「弊社のLGBTQに関する知識の無さから、たくさんの方々に対して配慮が欠けていたと反省しております」とし、次のように述べた。
「弁護士とも相談の上、皆さまに対して平等となるルールを協議しておりますので、決定しましたら当キャンプ場Instagramアカウントより発信させて頂きたいと考えております。
ルール改正が済んだ際には、後程お問い合わせ頂いております内容についても、併せてInstagramにて発信させて頂く予定にしております」