「記者ハンドブック」6年ぶり大改訂 「ジェンダー平等への配慮」新規収録、「肌色」はNG表現に

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   新聞用字用語集『記者ハンドブック』(共同通信社)が6年ぶりに改訂され、2022年3月15日に第14版が刊行される。

  • 記者ハンドブック(第14版)
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「(ユーザーがゲームに)課金する」は×

   記者ハンドブックは1956年の刊行以降、メディア関係者を中心に支持を集めてきた。共同通信社は「一般企業の企画・広報担当者からWEBライターまで、文章を書くすべての人にお薦めする日本語用字用語集の決定版です」と自社サイトで案内する。

   第14版の大きな変更点は、「ジェンダー平等への配慮」と題した項目の追加だ。前書きで「社会的、文化的差異であるジェンダーについて初めて取り上げ、章立てしました」と説明している。

   性的少数者(LGBTなど)に関する基本的な用語や、気を付けたい表現が列挙されている。日用的な「女優」「うぐいす嬢」といった表現は「俳優(※例外あり)」「場内アナウンス係、車上運動員」と改めるよう注意を促す。

   ジェンダー報道をめぐっては、19年3月に関係団体が「LGBT報道ガイドライン」を策定していた。

   時流を踏まえた用語の採録も特徴だ。SNS時代を象徴するように「ハッシュタグ」の説明が加筆され、「『#○○』というハッシュタグ(検索目印)などと表記する。『♯』(シャープ)との混同に注意」としている。

   そのほか、誤りやすい語句として「(盗品を)転売した疑い→売った疑い、売却した疑い」「(ユーザーがゲームに)課金する→金をつぎ込む」などが加わった。

「魅せる」は×→〇に

   13版では「魅せる」(例文:魅せるプレー、羽生が魅せた)は文法的に誤りとしていたが、使用するメディアが増えたためか、14版では削除されている。

   差別語には「肌色」が加わり、「薄だいだい」または「薄いオレンジ」への言い換えを推奨する。「肌の色はそれぞれ。クレヨン、色鉛筆、絵の具などでは使われていない」と注釈を付けた。

   肌色表記をめぐっては、ファミリーマートが21年3月、「はだいろ」として展開した衣料品が不適切だったとして、「ベージュ」として再販すると発表していた。

   議論を呼ぶことの多いURLやメールアドレスの表記については、引き続き「全角横打ち」としている。

   神戸新聞は19年4月の電子版記事「ネット記事の英数字『全角』 半角にするって?」で、ネットではメールアドレスとURLを半角にすると宣言した。

   朝日新聞も20年1月、英数字を半角にすると発表した。

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