「バリアフリー物件」は広くあったほうがいい
違うところで言うと、敷金を通常の2倍払いました。入居にあたって不動産業者から「傷つきやすくて、退去時に思ったより高額に請求されることがあるから」と伝えられました。「僕、綺麗に使いますよ」とは言ったんですけど、礼金じゃなくて敷金だし、退去時に返ってくるだろうからいいかなと思いました。
どうにか住めそうな物件を見つけたのに、「車いすです」と伝えたら拒否されてしまうことがある現実は変わってほしいなと思います。エレベーターがないといけないとか、廊下が広くないといけないとか、車いすユーザーの選択肢はもともと少ないです。その中で「車いすお断り」のような現実があるのは、もちろん全てがそうではありませんが、やっぱり残念です。
入居中に傷がついたら、もちろんこちらの責任ですから、退去時に相応の支払いはします。それが、問い合わせ段階で門前払いされてしまうのは悔しいですよね。車いすユーザーの中には、自立したくて1人暮らしを選択する人もいるし、いろんな事情で家を借りないといけない人もいます。入居希望者とオーナーサイドが、お互い歩み寄れればいいと思います。
僕は今でこそ希望した部屋で1人暮らしができていますが、物件探しは当時本当に苦労しました。「車いすユーザー専用の物件」を作る必要はないけど、段差をなくしたり手すりをつけたりした「バリアフリー物件」は広くあったほうがいいと思います。車いすユーザーに限らず、子どもや高齢者など、いろんな人にとって優しい家、ゆとりある家が増えてほしいです。
(構成:J-CASTニュース編集部 青木正典)