女性アイドルグループ「ラストアイドル」が2022年3月9日に、5月31日で活動を終了することを公式サイトで発表した。発表ではその理由について、「2020年初頭に発生したコロナ禍で思うような活動ができず、それぞれのメンバーの将来やこの先のグループの未来などを総合的に判断」したと説明している。
ラストアイドルは作詞家の秋元康氏(63)が企画したオーディション番組「ラストアイドル」(テレビ朝日系)から2017年12月にデビュー。シングル発売ごとに「バトル」と呼ばれるオーディションを行い、勝ち抜いたメンバーがシングル曲に選抜されるというシステムが話題を呼んだほか、ライブや握手会といったグループアイドルの定番とも言える要素もファンを魅了してきた。
「コロナ禍で思うような活動ができず」といった終了理由の背景には、具体的にどのようなことがあったと考えられるか。プロアイドルヲタクのブレーメン大島氏に話を聞いた。
「『こんなはずじゃなかった』というのが運営側の正直な気持ちだと思います」
まず、ブレーメン大島氏は今回の活動終了について、運営側としてはここまで新型コロナウイルス禍が長引くと予想しておらず、コロナに振り回された結果の活動終了だと指摘する。
「『こんなはずじゃなかった』というのが運営側の正直な気持ちだと思います。本来であれば、もう、握手会やライブといった以前通りの活動はとっくに再開させていたかったというのが正直なところで、現状、このまま行っても『上がり目はない』と運営側が判断したということではないでしょうか」
大島氏は他の理由も指摘した。
「あとは、売り出していく上での『手本がなくなってしまった』というのもあると思います。握手会が出来ない今、例えば、AKB48のやり方は、もはや参考に出来ません。後は、仮定の話になってしまいますが、最近活気づいてきた地下アイドルのやり方を参考にすれば、活動終了は回避できたかもしれません。コンサート会場の規模を小さくして公演数を増やし、『日銭を稼ぐ』という形で収益を上げる方向にシフトできれば活動終了には至らなかったかもしれませんが、それは叶わなかったということでしょう」
ファンの関心は「所属メンバーたちの今後」へ移行か
さらに、大島氏はラストアイドルがデビューから決して短くない時間がたっていることも指摘する。
「活動終了の理由は、言葉にしやすい明確なものがあるわけではなく、その結果『コロナ禍で思うような活動ができず』という漠然とした、かつ無難な表現になったのだと思います。また、ラストアイドルはデビューが2017年12月ですから、始まってすでに4年が経過しています。『これ以上の上がり目がどうにも見いだせない』という状況の中、コロナが『ちょうど良い見切り材料』になったということではないでしょうか」
最後に、大島氏はラストアイドルのファンの心境を推察した。
「今後、ファンの関心は所属メンバーたちの今後がどうなるかに移っていくのではないでしょうか。考えられる可能性の中で劇的なものとしては、『メンバーが地下アイドルに移籍し、そこでセンターを務める』といったこともあり得るのではないでしょうか。グループの中で実力がありながら埋もれてしまっているメンバーであれば、ラストアイドルのバックボーンを背負ったまま、『元ラストアイドルの○○が○○という地下アイドルグループでデビュー!』『新規加入でいきなりセンター!』といったキャッチーなことが起こるかもしれません」
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)