オープン戦とはいえ、巨人の貧打が深刻だ。
8日のソフトバンク戦(宇部)で6回に中田翔がオープン戦7試合目、58イニング目でオープン戦初となる中前適時打を放ったが、6安打2得点。9日の同戦(ペイペイドーム)でも3安打1得点。10日のオリックス戦(京セラ)は11安打を放ったものの、打線がつながらず1得点に終わり、5連敗となった。
背番号「9」継承の松原も...
昨季途中で巨人に移籍後、打率.154、3本塁打、7打点と精彩を欠いた中田翔はオープン戦で.316、1本塁打と気を吐く。20、21年と2年連続本塁打、打点の2冠に輝いた4番・岡本和真も4本のアーチを放つなど順調な調整ぶりだが、他の若手が精彩を欠いている。
リードオフマンとして期待される松原聖弥だが、2日の西武戦(東京ドーム)で「1番・中堅」でスタメン出場して4打数無安打に倒れると、その後の試合では7、9番など下位を打っている。機動力がある選手だけに、上位で起用したいがオープン戦打率.167と状態が上がってこない。
松原は昨年は135試合出場で打率.274、12本塁打、37打点と自己最高の数字をマーク。育成出身で球団初の規定打席に到達した。オフには背番号が「9」となり、亀井善行1軍外野守備走塁コーチの背番号を継承したが、ボール球に手を出す淡白な打撃が目立つ。
「オープン戦だからと軽視できる状況ではありません」
吉川尚輝も物足りない。二塁での守備範囲は「広島の菊池涼介より広い」と評されるほどだが、遊撃でテストされた5日の日本ハム戦(札幌ドーム)は平凡な遊ゴロを一塁に悪送球。打撃でも打率.160と元気がない。
身体能力の高さはチーム屈指で本来はチームを引っ張らなければいけない立場だけに、首脳陣も歯がゆいだろう。
スポーツ紙デスクは「このままではV奪回どころかBクラスもあり得る」と分析する。
「坂本勇人、丸佳浩は30代に入り、全盛期に比べて動きのキレは落ちている。本来なら若手が中心に代わらなければいけないのに、生え抜きの野手で他球団のレギュラーを上回るのは岡本ぐらいしか見当たらない。松原、吉川、正捕手候補の大城卓三は殻を破ってもらわないと困る選手たちです。現状だと打線につながりがなく、相手に与える恐怖感もない。オープン戦だからと軽視できる状況ではありません」
開幕までに修正できるだろうか。「ヤングG」たちの奮起を期待したい。(中町顕吾)