「カムカム」聖地・嵐電沿線と時代劇の深い縁 レトロな映画文化を新たな価値に

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戦前は日本映画のメッカだった嵐電沿線

   「カムカム」の劇中でひなたは時代劇好きに育ったが、嵐電沿線と時代劇の縁も深い。現在沿線にある撮影所は東映・松竹の2か所だけだが、戦前には大手映画会社がこぞって撮影所を設けた。「現代劇は東京で、時代劇は京都で撮影することが主流の時代で、嵐電沿線には寺社も多いことも好条件になったそうです」(京福電鉄沿線創造事業部)

   戦前の日本映画黎明期に活躍した「日本映画の父」と称される映画監督の牧野省三も1921年に嵐電沿線の等持院にスタジオを構え、この縁から等持院境内には牧野の銅像も建っている。京都・河原町の旧立誠小学校には「日本映画発祥の地」という看板が立つが、当地はかつて嵐電の前身の京都電燈本社があり、ここでは1897年に映画が上映された。看板は、この時の上映を日本初の映画上映とする説に由来する。

   ひなたが憧れる時代劇の黄金期を見てきたのが嵐電だが、今でも沿線に残る京都の映画文化が沿線資産になっている。「カムカム」で興味を持って嵐電沿線を訪れてみれば、のんびりと走る電車を含めてその懐かしさにもひかれるかもしれない。

(J-CASTニュース編集部 大宮高史)

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