在日ウクライナ大使館は2022年3月10日、ロシアの自治体と「姉妹都市」などの提携関係にある日本の自治体に関係断絶を呼びかけたとツイッターに投稿したものの、その後削除した。
ウクライナ大使館は11日、一連のツイートについて「行き過ぎたお願いだったかもしれません」と投稿している。
日本の大学にも「関係断絶」呼びかけ、反対署名も
ウクライナ大使館は3月10日18時30分ごろに、ロシアの自治体と「姉妹都市」などの提携関係にある日本の42自治体が記載されたリストの写真を投稿。「ウクライナが卑劣なロシア侵攻を受けるなか、ロシアの町との『姉妹関係』を保ち続けるのは偽善のように思われます。当館が日本の都道府県及び市に対して、ロシアの地域及び市との姉妹都市関係の断絶を呼びかけました」とツイートした。
同日の別のツイートでは、日本の大学27校が記載されたリストを投稿し「ウクライナに対するロシア侵攻を非難するとともに、世界各国の大学がロシア連邦の教育機関との協力を停止しています。当館が日本(編注:の)大学にも侵略国との協力関係の断絶を呼びかけました」と投稿している。
ツイッター上では一連の投稿が議論を呼んでいた。署名サイト「change.org」では11日朝に「日本の大学とロシアの教育機関との関係断絶を阻止しよう!」と、ウクライナ大使館の呼びかけに抗議する署名も立ち上がった。発起者は「政治を理由に学生や学者から学問の自由を奪ってはなりません」とし、20時50分までに120人近い署名が集まっている。
ウクライナ大使館は一連のツイートを削除したうえで、11日18時30分ごろに「ロシアの大学や自治体との交流停止を求めたことについて、様々なご意見をいただきました」と投稿。呼びかけについて「確かに行き過ぎたお願いだったかもしれません」と振り返った。
その上で「ただウクライナの、特に男子学生は今海外に行くことも、学ぶことすらできません。そのことを皆さんに知ってほしかっただけです。ご容赦いただければ幸いです」と意図を説明した。