自民党の河野太郎広報本部長は2022年3月8日、ウクライナ出身の兄弟ユーチューバー・SAWAYAN(サワヤン)との対談動画を公開し、ロシアのウクライナ侵攻に言及した。
対露制裁の実効性を高めるためにも、蜜月関係とされる中国への圧力も必要だと訴えた2人。河野氏は"台湾有事"に触れつつ、次のように持論を述べた。
「動く必要があるのではないか」
「絶対にブッコんでやろうと思って来ました」――SAWAYANのサワさんはこう切り出すと、ウクライナに身を置く父の要望を伝えた。事態打開に向け、中国が積極的な役割を果たすよう日本が促すべきとの指摘だ。
「日本はどうしてもヨーロッパやアメリカが施策を出したときに後追いの形で何かをすることが多いと思う。中国は日本と近い距離にあり、中国とロシアは密接な関係にあるので、そこを問い詰めるじゃないですが、何かアクションができないかと父親から日本へのお願いでした。そこの関係性を暴いてほしいといいますか、下手に色々とできないのはわかっていますが動く必要があるのではないか」
日本側の"覚悟"を問われた河野氏は、中国は現在、いわゆる台湾有事を想定して軍事動向や経済制裁など国際社会の反応を注視しているとの見方を示した。
国、民間による強力な反発は台湾有事への抑止力につながり、ロシアへの経済制裁の抜け穴を防ぐという観点からも「侵略を認めるんですかと話をしていかないといけない」とサワさんに同意した。
「ぜひ日本からファーストペンギンに」
サワさんは回答を受け、
「(中国の習近平国家主席が)様子をうかがっている時間を僕は作らせてはいけないと思っています。ロシアへの制裁が集中している中で、中国は陰に隠れて都合の良い状態になってしまっている」
と警戒感をあらわにし、
「明らかに何もアクションを起こさない国は明確になってきているので、ぜひ日本からファーストペンギン(編注:先陣を切る)になってアプローチしてくれれば。平和を象徴する国でもあるので」
と求めた。
河野氏も「日本も率先して侵略を認めないとの態度をとることが、東アジアで何かが起きたときにヨーロッパが助けにきてくれる裏返しになるので、日本が突っ張るというのは大事なこと」とうなずいた。
対談は約1時間にわたって行われた。動画は9日時点で17万再生以上を記録している。