北京冬季五輪スキー・クロスカントリーで3冠を達成したアレクサンドル・ボルシュノフ(ロシア)が、旧ソビエト連邦時代の代表ユニフォームとみられるものを着用してスキーをする写真をインスタグラムから削除した。
ボルシュノフが投稿した写真には、ノルウェースキー連盟のエリック・ロステ会長が非難の声を上げていた。
「これは一種の宣戦布告」
ロシアがウクライナへ軍事侵攻をするなか、ボルシュノフは2022年3月7日にインスタグラムを更新。旧ソビエト連邦時代の代表ユニフォームとみられるものを着用してスキーをする写真を投稿し、「CCCP(旧ソ連の略称)1980」とのメッセージを添付した。
ノルウェーメディア「VG」(WEB版)によると、ロステ会長はこの投稿に、「非常に不適切だと思います」と不快感を露わにし、社会学人類学者で作家のエリカ・ファットランド氏は「これは一種の宣戦布告です。彼は明らかに戦争への支持を示している」とコメントしたという。
一方、ロシアメディア「スポーツエキスプレス」は、ロステ会長の発言に対して、元五輪金メダリストであるアンフィサ・レスツォワ氏が「彼らは過剰反応している」などと発言したことを伝えた。
ボルシュノフの投稿は3月9日11時までに削除された。
体操界では「Z」マークが波紋
ロシアのウクライナへの軍事侵攻が続く中、体操界では5日に行われた種目別W杯に出場したイワン・クリアク(ロシア)が「Z」マーク入りのユニフォームを着用したことに批判が集まった。
クリアクは男子平行棒で銅メダルを獲得し、表彰式に胸の部分に「Z」のマークが入ったユニフォーム姿で登場。表彰式では優勝したウクライナのイリア・コフトゥンと並んでメダルを授与した。
「Z」マークはロシアでは勝利を意味するとされ、ウクライナを侵攻するロシア軍の戦車や軍用車の側面に描かれているため政治的なメッセージが込められている可能性があるとして非難が相次いだ。
国際体操連盟(FIG)はクリアクの行為を「衝撃的な行動」と指摘し、3月6日に公式サイトでクリアクの懲戒手続きを開始するよう体操倫理財団に求めることを発表した。