ユニクロ「現時点ではロシアで営業」も...「営業継続方針決定」は広報否定 今後「状況注視し判断」

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   カジュアル衣料「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングが、ウクライナへの侵攻を続けるロシアでの営業を継続する方針だと、大手経済紙などが報じて論議になっている。

   H&Mなどのアパレル大手がロシアでの営業停止を次々に表明する中で、柳井正会長兼社長は利益を優先するのかといった疑問も国内外から相次いだ。これに対し、ファーストリテイリングの広報担当者は、営業継続方針を決めたことは否定し、「現時点では営業を継続しているが、今後は状況を注視しながら判断する」と取材に説明した。

  • 柳井正氏(2012年撮影)
    柳井正氏(2012年撮影)
  • ウクライナ大使も苦言を呈した
    ウクライナ大使も苦言を呈した
  • 柳井正氏(2012年撮影)
  • ウクライナ大使も苦言を呈した

駐日ウクライナ大使が苦言

   「衣服は生活の必需品。ロシアの人々も同様に生活する権利がある」。日本経済新聞の2022年3月7日付記事によると、ロシアでの営業について、柳井氏は、こう語ったとし、記事では、今後の状況を注視しつつも事業は継続する方針だと伝えた。同国内では、ユニクロ約50店を展開している。

   その一方で、柳井氏は記事で、「戦争は絶対にいけない。あらゆる国が反対すべきだ」と述べ、ロシアのウクライナ侵攻を非難したとしている。

   その後8日までに、フジテレビやTBSなども、ユニクロはロシアの店舗について、状況を注視しながら営業を継続する方針だと報じた。

   柳井氏のコメントは、英ロイター通信などでも紹介され、海外からも注目を集めた。ユニクロの公式ツイッターなどには、内外から様々なコメントが寄せられ、議論になっている。

   ウクライナのコルスンスキー駐日大使も7日、ツイッターで報道を紹介し、次のように苦言を呈した。

「ユニクロは、ズボンやTシャツを持っているという#Russianの基本的なニーズは、生きるためのウクライナの基本的なニーズよりも重要であると判断しました。残念だ!」

今後の営業停止については「何とも申し上げられません」

   ユニクロを運営するファーストリテイリングは3月4日、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)からの要請を受けて、ウクライナなどへの人道支援のため約11億5000万円をUNHCRに寄付し、ヒートテック毛布やリサイクル防寒着など計約20万点をポーランドなどへ避難してきた難民に提供すると発表している。

   ファーストリテイリングの広報担当者は8日、営業を継続する方針を決めたわけではないとJ-CASTニュースの取材に答え、次のように説明した。

「現時点では、ロシアでの営業は継続しています。状況は刻々と変わっており、それを注視しながら営業についての判断をします」

   日経には、こうした趣旨を伝えているとした。今後、営業を停止することがあるのかについては、「何とも申し上げられません」と話した。

   広報担当者によると、柳井氏は、3月初めごろに日経から別件で取材を受け、そのときにロシアのことを聞かれて答えたという。「戦争は絶対にいけない。あらゆる国が反対すべきだ」と確かに話し、戦争は絶対に反対だという趣旨を言いたかったとした。柳井氏が「衣服は生活の必需品。ロシアの人々も同様に生活する権利がある」と話したのも事実だとした。

   柳井氏の発言にネット上で批判が出ていることについては、「様々な意見があると認識しています。それらについてのコメントは、差し控えさせて下さい」と話した。ウクライナの大使が発言を残念だとしていることについても、「個別の意見については、差し控えさせていただきます」とした。

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