カジュアル衣料「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングが、ウクライナへの侵攻を続けるロシアでの営業を継続する方針だと、大手経済紙などが報じて論議になっている。
H&Mなどのアパレル大手がロシアでの営業停止を次々に表明する中で、柳井正会長兼社長は利益を優先するのかといった疑問も国内外から相次いだ。これに対し、ファーストリテイリングの広報担当者は、営業継続方針を決めたことは否定し、「現時点では営業を継続しているが、今後は状況を注視しながら判断する」と取材に説明した。
駐日ウクライナ大使が苦言
「衣服は生活の必需品。ロシアの人々も同様に生活する権利がある」。日本経済新聞の2022年3月7日付記事によると、ロシアでの営業について、柳井氏は、こう語ったとし、記事では、今後の状況を注視しつつも事業は継続する方針だと伝えた。同国内では、ユニクロ約50店を展開している。
その一方で、柳井氏は記事で、「戦争は絶対にいけない。あらゆる国が反対すべきだ」と述べ、ロシアのウクライナ侵攻を非難したとしている。
その後8日までに、フジテレビやTBSなども、ユニクロはロシアの店舗について、状況を注視しながら営業を継続する方針だと報じた。
柳井氏のコメントは、英ロイター通信などでも紹介され、海外からも注目を集めた。ユニクロの公式ツイッターなどには、内外から様々なコメントが寄せられ、議論になっている。
ウクライナのコルスンスキー駐日大使も7日、ツイッターで報道を紹介し、次のように苦言を呈した。
「ユニクロは、ズボンやTシャツを持っているという#Russianの基本的なニーズは、生きるためのウクライナの基本的なニーズよりも重要であると判断しました。残念だ!」