従来のようなフリップ芸では、もはや優勝は難しい
ZAZYさんは2年連続で準優勝に甘んじた。これについて、フリップを使ったがゆえの限界はあったのだろうか。
「ZAZYさんは、昨年は電子化していない本物のフリップを使っていましたが、その際、フリップを固定していたクリップが外れないというアクシデントに見舞われてリズムを崩すという痛恨のミスは確かにありました。なので、2年同じ順位とはいえ、そこは少し状況が違うかと思います。
それでも、昨年の優勝者のゆりやんさんは自身を前面に出す演技だったことが響いたか、フリップ芸の中で最も面白かったと思われるZAZYさんを最後の最後で破ったのだと思います。そう考えると、全く個人的な意見ですが、フリップ芸には『絵に頼ってしまうこと』の限界があるように感じました」
となると、今後はフリップ芸でR-1で優勝を狙うことは難しいと言えるのだろうか。
「従来のような『フリップをめくりつつ、演者がツッコむ』という形式では、もはや難しいでしょう。一方、可能性があるとするなら、演者としての立ち位置が特殊なものとなるでしょう。例えばバカリズムさんのネタ『地図バカ先生』は、生徒に指導するという体のボケを演じています。そのため、『絵に頼っている』とは言えない構造なのです。
視聴者は芸人のネタを見て笑うわけですから、基本的にはツッコミの視点になります。フリップを使うのなら、演者がツッコミ以外にどんなポテンシャルを提示できるのか。斬新な立ち位置を具現化できれば優勝の可能性はまだ残っていると言えるでしょう」
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)