スポーツ界のロシア排除は「非人道的」 選手から不満相次ぐ「なぜアスリートが苦しむのか」

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   ロシアのウクライナへの軍事侵攻を受け、国際大会などでロシア選手除外の動きが広がるなか、ロシアのアスリートらがSNSなどでそれぞれの主張を発信している。

   国際パラリンピック委員会(IPC)は2022年3月3日にロシアのウクライナ侵攻を巡りロシアとロシアを支援したベラルーシの排除を決定。一度は条件付きで出場を認めたものの大会開幕直前になって参加を認めないこと急きょ発表した。

  • プルシェンコ氏(写真:松尾/アフロスポーツ)
    プルシェンコ氏(写真:松尾/アフロスポーツ)
  • プルシェンコ氏(写真:松尾/アフロスポーツ)

ユニフォームの「Z」マーク物議

   IPCの決定に反発の声を上げたのは、アルペンスキーの2大会(14年ソチ五輪、18年平昌五輪)連続金メダルのアレクセイ・ブガエフ選手だ。

   ブガエフ選手は3月5日までにインスタグラムを更新し、IPCの決定を「不道徳で非人道的」と指摘し、「明らかなロシア敵視であり五輪精神は欺瞞だ」と怒りを滲ませた。

   体操界では3月5日にカタール・ドーハで開催された種目別W杯で銅メダルを獲得したイワン・クリアク選手のユニフォームが物議をかもしている。

   クリアク選手は種目別平行棒に出場し銅メダルを獲得。表彰式では優勝したウクライナの選手と並びメダルを授与した。

   物議をかもしたのは、クリアクの選手が着用したユニフォームの胸部部分の「Z」のマークだ。「Z」マークはロシアでは勝利を意味するとされ、ロシア軍の戦車にも描かれているため、政治的なメッセージが込められているのではないかとの憶測が飛び交った。

   国際体操連盟(FIG)は3月6日に公式サイトでクリアクの懲戒手続きを開始するよう体操倫理財団に求めることを発表。FIGは主催大会でロシアの国旗などの使用を禁じていた。

「人々はスポーツと政治を切り離せと叫んできたのに...」

   サッカー界ではロシア代表主将FWアルテム・ジューバ選手がインスタグラムを通じてウクライナへの軍事侵攻を巡り自国に向けられた誹謗中傷などについて持論を展開した。

   ウクライナ人の父とロシア人の母を持つジューバ選手は3日に更新したインスタグラムで「私は国籍に基づく差別に反対しています。私はロシア人であることを恥じていません。ロシア人であることを誇りに思っています。そして、なぜアスリートが今苦しむべきなのか理解できません」とのコメントを投稿。

   そして「私はダブルスタンダードに反対しています」とし、「人々はスポーツと政治を切り離せと叫んできたのに、ロシアに関してこの原則が完全に忘れられるのはなぜですか?」と訴えた。

   また、フィギュアスケート五輪金メダリストの「皇帝」エフゲニー・プルシェンコ氏は7日までにインスタグラムを更新し、ロシア語で「私はロシア人であることを誇りに思う」とし、「ロシア人よ、顔を上げて前に進もう、恥ずかしがらずに、ロシア人であることに誇りを持ってください」などのコメントを投稿した。

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