ウクライナ大使、なぜ林外相と「1か月も」面会できず? 渦中の鈴木副大臣「事実無根の情報拡散」

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   ウクライナのコルスンスキー駐日大使が林芳正外相と約1か月面会できなかった問題で、鈴木貴子外務副大臣は2022年3月4日、自らが拒んでいたとされることを国会答弁などで否定した。

   コルスンスキー大使は、「会いたくなかったのは鈴木副大臣」とツイートしていたが、その後削除している。では、1か月会えなかったのはなぜなのだろうか。

  • この問題で答弁する鈴木貴子外務副大臣(衆院インターネット審議中継から)
    この問題で答弁する鈴木貴子外務副大臣(衆院インターネット審議中継から)
  • コルスンスキー大使も状況を説明
    コルスンスキー大使も状況を説明
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  • コルスンスキー大使も状況を説明

大使は「会いたくなかったのは、鈴木副大臣」とツイートも削除

   この問題は、3月2日の参院予算委員会で、国民民主党の川合孝典氏が指摘して明るみになった。コルスンスキー大使が林外相との面会を「1か月も前に」外務省に求めたが、「いまだ面会ができていない」ことを外務省に確認したという。林外相は、「大使からの面会要望は承知をしていなかった」と答弁し、事実関係を調べる考えを示した。コルスンスキー大使と林外相との面会は、同日夕に実現している。

   その後、コルスンスキー大使は3日、林外相が1か月間面会をアレンジしなかったのは本当かとツイッター上で聞かれ、英文でこう書いた。

「いいえ、林大臣の反応はとても速かったです。会いたくなかったのは、鈴木副大臣です」

   この投稿は、注目を集め、日本の一部の大手新聞もネットニュースなどで報じた。

   鈴木副大臣は、ロシアと関係が深いことで知られる日本維新の会の鈴木宗男参院議員の娘に当たる。コルスンスキー大使は2月28日、ロシアの攻撃で破壊されたウクライナ住宅地の写真をツイッターに投稿し、「鈴木宗男氏は、よく眠れますか?」と皮肉めいたことを英文で書いていた。

   ネット上でも、鈴木副大臣が面会を拒んでいるのではないかとの憶測が広がった。しかし、「会いたくなかったのは、鈴木副大臣」だとしたコルスンスキー大使のツイートは、その後削除された。

   この騒ぎに対し、鈴木副大臣は3日、自分のもとには、ウクライナ大使館から面会依頼書は届いていないとツイッターで説明した。外務省からコルスンスキー大使に事実関係を伝えた結果、大使がツイートを削除したと認識しているともした。

   フェイスブックでもこの日、「事実無根の情報拡散」と題して、こうした内容を説明した。

大使「大使館と外務省の間には技術レベルでの誤解」

   鈴木副大臣はフェイスブックで、コルスンスキー大使が面会を待たされたのは、「鈴木貴子が妨害していたためである」といった事実無根の投稿がSNS上で拡散しているとして、次のように強調した。

「政府の一員として、ウクライナに対する支援に努めており、一億ドルの緊急人道支援なども決定しております。ロシアによる侵略、力による現状変更を強く非難すると共に、ウクライナとウクライナの人々を支援して参るものです」

   鈴木副大臣は、3月4日の衆院外務委員会でも答弁に立ち、面会を拒んでいたのは事実無根だと強調した。そして、事実関係を調べた結果を次のように説明した。

「少なくとも口頭での要請はあったものの、通常発出される書面での要請が届いていなかった。また、副大臣室には、要請として伝わっていなかった」

   林外相は4日の答弁で、ウクライナ大使館から2月24日になって口上書で要望を受け、大使の都合がいい日時を調整して、3月2日夕に面会したと説明した。

   面会が1か月かなわなかった理由について、コルスンスキー大使は3日、「状況を明らかにしたいと思います」とツイッターで述べ、こう説明した。

「結局のところ、私たちの大使館と外務省の間には技術レベルでの誤解がありました」

   そのうえで、「外務省は、第二次世界大戦以来最大の安全保障危機に関連する二国間および多国間問題に全面的に取り組んでいます。極度のプレッシャーが私たち全員にかかっています」とした。そして、「技術的な詳細ではなく、本当に重要な問題に対処しましょう。外務省と緊密に連携しています」と強調していた。

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