日本在住のウクライナ人YouTuber「サワヤン」兄弟が2022年3月2日、在日ウクライナ大使館が募集したロシア軍と戦う「義勇兵」に志願する意思をYouTubeに投稿した動画で表明した。
この表明動画の後に投稿された動画では、一部の日本人ユーザーから誹謗中傷が寄せられていることも明かし、「非常に不愉快だし、非常識極まりない。ネタで書いていいことといけないことがある」などと怒りを露わにした。
「日本にいるのがすごいもどかしい」
「サワヤン」は、兄のサワさんと弟のヤンさんからなるウクライナ人兄弟YouTuber。2022年3月2日に公開された「義勇兵に志願します」と題した動画でサワさんは、「結論から申し上げます。僕たちサワヤン兄弟も、この動画において義勇兵への参加を表明したいと思います」と報告した。
「実際に応募はまだできていない」というサワさん。募集条件を調べたところ、「軍事経験があること」「医療経験があること」などと明記されていたといい、自分たちにはどちらの経験もないとしながらも、「ただやっぱり戦いたい。母国を守りたいという気持ちがあります」「もしウクライナに行けるのであれば、いつでも行く準備ができている、覚悟ができている」と伝えた。
一方のヤンさんも「僕もそういう気持ちはもともとあった」と述べ、「日本にいるのがすごいもどかしくて、この期間ずっと。僕と同じ世代の人が命捨てる覚悟で戦っているのを見てて、いてもたってもいられない気持ちがずっとあって。なので、サワからこういう話があった時は、僕も全く同じ気持ちだった。そこの意志は2人とも固いです」と決意を語った。
「ネタで書いていいことといけないことがある」
サワさんは「一人でも多くの人がこの問題に真摯に向き合ってほしい」との思いから、「今後も動画投稿は続けます。誰に何と言われようと」と宣言。ヤンさんは「僕らも最後まで戦い続けるので、どんな形であろうと僕らにできることを僕らは最後まで全力でやり続けるので」と説いていた。
ただ、松野博一官房長官は2日の会見で、義勇兵募集をについて、ウクライナ全土に退避勧告を発しているとし、「目的のいかんを問わず渡航をやめていただきたい」と呼びかけた。また、在日ウクライナ大使館は同日までに、義勇兵を募集したツイッターの投稿を削除している。
なお、兄のサワさんは上記の動画を配信した後、YouTubeに「戦争をネタに『しね』って言ってくる人たちへ」と題した動画を公開。一部の日本人ユーザーから、今回の侵攻を揶揄する中傷コメントが寄せられているとして、「もう我慢の限界」だと告白した。
そうした中傷コメントは1つずつ手作業で削除しているとして、
「非常に不愉快だし、非常識極まりない。ネタで書いていいことといけないことがある。この場を借りて言わせてもらうと、お前らがやってること、マジで最低だからな」
「日本の皆さんから、たくさんの募金や温かい言葉があるけど、お前(中傷をするユーザー)はその気持ちを踏みにじってる。泥を塗ってる。本当にひどい」
などと怒りを込めながら、中傷コメントを止めるよう視聴者に強く訴えていた。