「『SAFがないと飛んじゃいけない』という時代になれば...」
ANAの平子氏は、SAFの供給がひっ迫し、価格が上昇する可能性を指摘した。
「今現在もSAF自体は、(石油由来燃料の)ケロシンの3~4倍の値段がついているが、3~4倍で収まるかどうかというところも懸念材料。今後、利用者も含めてSAFに対する理解を深め、利用者が利用しやすいインセンティブを、ぜひ国の助けも得ながら、やっていかないといけない」
平子氏は発表会後に改めて報道陣の取材に応じ、国産SAFの供給体制を整備することが安全保障上も重要になるとの見方を示した。
「一部の国は、SAFを混ぜた飛行機でないと乗り入れを認めないと言い出す国が出てきている。我々はそれを一番恐れており、これから先、そういった国が増えてくるだろうということを想定すれば、やはり日本国内でSAFを調達して、それを航空運航に供用することが大事」
仮に運航ができなくなると、旅客はもちろん、ワクチンといった物資が運べなくなり「国民の生活にも多大な影響が出る」と指摘。その上で、次のように話した。
「『SAFがないと飛んじゃいけない』という時代になれば、SAF自体が経済安全保障上の重要な物資になる。今すぐではなく、だいぶ先の話だと思うが、それぐらいのことを考えておいた方がいいのではないか」
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)