ロシアへのサイバー攻撃を目論む、ウクライナ政府による組織「IT軍」が続々と加入者を増やしている。
ロシア政府機関のウェブサイトを一時停止させるなど"戦果"を上げており、日本の有志団体も協力する事態となっている。
「ウクライナを少しでも助けたい」
「我々はサイバー戦線で戦い続ける」--。ウクライナのフョードロフ副首相兼デジタル転換相は2月27日、「IT軍」の設立を表明し、加入者を募るとツイートした。ロシア政府機関や企業へのサイバー攻撃が目的だ。
通信アプリ「テレグラム」の専用チャンネル「IT Army of Ukraine」は3月2日現在、25万人以上の参加者がいる。
米ウォールストリートジャーナルによれば、ロシアの外務省や証券取引所、国有銀行のウェブサイトが一時停止させるなど、すでに活動を始めたと伝えている。
日本でも28日から、協力を表明する団体が現れた。ネット掲示板「5ちゃんねる」で参加が呼びかけられている。
大量のデータを送って通信障害を起こす「Dos(DDos)攻撃」でIT軍に加勢するという。専用ツールを公開している。関係者は2日、J-CASTニュースの取材に「ウクライナを少しでも助けたいという思いとやらない善よりやる偽善という信条の元」結成したと答えた。
セキュリティ会社「Cross&Crown Security Intelligence」の増子貴仁氏は取材に、日本での動きについて「この種の攻撃は電子計算機損壊等業務妨害罪に該当するとみられ、少なくとも日本では犯罪にあたります。よって、当然推奨されるものではありません」と指摘する。