「1万5000円からギャラ上げられない」 現役声優が訴えたアニメ現場の「過酷な労働実態」

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「事務所の意見だと思われるから言いにくい」

   拘束時間と報酬が見合っていない実態も榎本さんは語った。通常、声優と所属事務所の関係は雇用契約ではないため、声優は個人事業主扱いで労働関係の法規が適用されない。

「3か月のアニメーションなのに半年キープがあって、主役じゃない限りは3本くらいしか出ないみたいなことも結構あるんですね。で半年キープされて3本出て3本分のお給料しかもらえないんですね。プラス、スケジュールのバラシ(予定していた仕事が流れること)になるのが遅すぎるんで前の日にバラシになったりするんですけど、本当は前日バラシの料金が払われるはず。なんですが、それを守っている会社も少ない」

   「環境が改善される兆しがない」とまで榎本さんが考える背景には、声優の立場の弱さがある。

「事務所に入っていると事務所の意見だと思われるから言いにくいんです。私は今レギュラーでやってないから、こういうふうに言えたりとか、言っても使ってもらえるという自信があるから言うんですけど、キャラクターを人質に取られているような状態なんです声優さんって。言って作品に迷惑かけたら悪い、降ろされるかもっていうので、ずっと言えない状態が続いているので。もっとアニメーションで稼ぎたいって皆思ってると思います」

と話し、「労働環境の改善を求めているんですけど、我々も制作にお金がないのは知っているので、まあ言っても改善されないかもということで、長い間こうどうしようかなみたいになっているという形です」「1万8000円で高いと言われる業界です」と改善が進まないことを訴える。

   これらの実情には赤松さんも「ここまで具体的に言った例ってないんじゃないですかね」と驚いた様子。スペースの配信が終了した後のツイッターでは、

「小中学生なりたい職業3位の声優がこれではいけません。改善に向けて取り組んでいきます」

とも伝えていた。

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