現行ルートは「安全が担保できるという情報が取れる状況においては運航」
ルート変更の可能性を問われたANAの平子裕志社長は、
「何よりも、安全運航が担保できることが大前提。我々も毎日、フライトを飛ばすか飛ばさないかという検討をしているが、情勢が時々刻々と変わっているので、情報を取りながら、安全が担保できるという情報が取れる状況においては運航するが、今後ずっと続くかどうか、まだ分からない」
などと話し、「安全が担保できるという情報」がある限りは現行ルートでの運航を継続する考え。その上で、
「そういった意味からすると、ロシア上空を通らないルートを検討させているし、もしそれが確立できるのであれば、そのルートも選択肢に入ってくる」
と述べた。JALの赤坂祐二社長も「全く同様だ」と同意した。
北回りルートの中継地点としてアンカレジを経由する可能性について問われた平子氏は、「アンカレジ経由はね...。ETOPS(イートップス)ってあるでしょ?」。ETOPSとは、緊急時にエンジン1基のみで飛行可能な時間を定めた国際ルール。北極上空などロシア領空以外のルートでは「ダイバート(緊急時の代替目的地)の空港が、いい空港が取れない可能性がある」ため、「南側が一番有力」だと話した。
両社の社長の発言は、バイオ燃料をはじめとする「持続可能な燃料」(SAF、Sustainable Aviation Fuel)が注目される中、国産SAFの商用化と普及・拡大に取り組む有志団体「ACT FOR SKY」の設立会見後の、いわゆる「ぶら下がり取材」の中で出た。「ACT FOR SKY」は日揮ホールディングス、レボオンターナショナル、JAL、ANAの4社が幹事社を務める。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)