明石フィルハーモニー管弦楽団は、ロシアによるウクライナ侵攻を受け、2022年3月21日の定期演奏会で予定していたロシアの作曲家・チャイコフスキーの序曲「1812年」の演奏を中止すると3月1日に発表した。
ツイッター上では「曲に罪はない」「過剰反応では」などの声が寄せられたが、楽団側は「今の状況では演奏するのは抵抗がある」との声が団内で多く聞かれた、と中止した理由を説明している。
フランスのロシア侵攻がテーマ
「1812年」はチャイコフスキーが1880年に作曲した演奏会用の序曲。皇帝・ナポレオン1世率いるフランス帝国がロシアに侵攻するも、ロシア軍が追い返した「1812年ロシア戦役」を描いた作品だ。楽譜には「大砲」のパートがあり、演奏会ではバスドラムなどで代用されることが多い。
楽団は明石市立市民会館で開催予定の「第30回定期演奏会」でこの楽曲の演奏を予定していたが、3月1日に楽団を運営する明石フィルハーモニー協会(明石市)が、「ロシアがウクライナに侵攻した世情を踏まえ、演奏を中止することとなりました」と文書で発表した。
楽曲の演奏中止に、ツイッター上では「曲に罪はない」「過剰反応では」「こうなってしまうのは大変悲しい」「仕方の無いことなのかなぁ」など様々な声が寄せられた。楽団のツイッターは2日、こうした声に「様々なご意見ありがとうございます」としつつ、演奏中止に至った経緯を次のように説明した。
「団内でも『作品に罪はない』『今回の侵攻とは曲の背景が真逆』であることから中止する必要はないとの声もありましたが、『今の状況では演奏するのは抵抗がある』との声が多く中止することとなりました」
楽団のツイッターは「気兼ねなく演奏できる日が早く来ることを願うばかりです」と思いを伝えている。
様々なご意見ありがとうございます。
— 明石フィルハーモニー管弦楽団 (@tac0phi1_akash1) March 2, 2022
団内でも「作品に罪はない」「今回の侵攻とは曲の背景が真逆」であることから中止する必要はないとの声もありましたが、「今の状況では演奏するのは抵抗がある」との声が多く中止することとなりました。
気兼ねなく演奏できる日が早く来ることを願うばかりです。