国民民主党の玉木雄一郎代表は2022年3月1日の定例会見で、核兵器を「持たず、つくらず、持ち込ませず」の非核三原則のうち、「持ち込ませず」のあり方や解釈について議論を進めるべきだとの考えを示した。
米国の核兵器配備を受け入れ、その受け入れ国が使用に際して意思決定に加わる「ニュークリア・シェアリング」(核共有)については、「抑止としてそもそも効果を発揮するのかどうかについては慎重な検討が必要」だとして現時点では懐疑的な立場。「いきなり核シェアリングの話に飛ぶ前に」、「持ち込ませず」の議論が必要だとした。
日米が核共有したとしても「果たしてそれが現実的なのかどうなのか」
核共有は、安倍晋三元首相が2月27日にフジテレビで放送された「日曜報道 THE PRIME」で「議論していくことをタブー視してはならない」などと言及。岸田文雄首相は2月28日の参院予算委員会は、日本は非核三原則を堅持していることを理由に「認められない」と述べている。
玉木氏は、仮に米国と核共有した場合に想定される事態として
「日本国内に戦術核を配備して、そして日本国、我が国領土が侵略された際に、我が国の領土内でそういった戦術核を使うということを意味する」
などと話し、現時点では慎重姿勢を示した。
「果たしてそれが現実的なのかどうなのかということと、抑止としてそもそも効果を発揮するのかどうかについては慎重な検討が必要だと思う」
ただ、「持ち込ませず」については、「議論と、ある種の解釈の確定ということをきちんとやるべきだと思う」。具体的な検討課題として挙げたのが「持ち込み」(introduction)の解釈で、
「有事の際にも、例えばSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)を搭載した原潜なり艦船が、日本の港に寄港することも含めて認めない、という話なのか。そのことで本当に核抑止が働くのかどうか」
「特に有事の際の艦船や潜水艦や、そういった核抑止を機能させるための、特に日米の具体的なオペレーションのあり方を含めて、議論すべき課題」
などと話した。
核武装論「一足飛びにはそこにはいかない」が...
玉木氏は、
「大変厳しい安全保障環境の変化と、そしてウクライナで起こっていることは、最後、自分の国は自分で守るという強い意志と能力を持たない限り、主権と領土の一体性が蹂躙されるということを我々は目の前で確認している」
とも。核武装論については、
「これまでの我々の非核三原則あるいは平和国家としての歩みからすると、一足飛びにはそこにはいかない」
とした上で、
「あくまで我々は唯一の被爆国として核の廃絶という大きな目標を掲げて、国家の目標と掲げてやっていくべきと思うが、他方で、あらがえない現実が目の前にある」
などと話した。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)